比較推奨販売のパブコメ

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令和7年の保険業法改正は、すでに令和8年6月1日より施行されています。体制整備義務やその他の改正部分については、金融庁がパブリックコメント結果を公表し、業界としても準備が進んでいます。しかし——代理店実務に最も影響する比較推奨販売のパブリックコメントだけ、いまだに公表されていません。これは、金融庁の通常のスケジュールから見ても異例な出来事です。

1.事実:比較推奨販売だけ「別途公表予定」
改正保険業法のパブリックコメント結果を公表した際、比較推奨販売の部分については別途公表予定としています。すでに改正法が施行されているにもかかわらず、実務ルールが未公表のままというのは、やはり違和感があります。

2.比較推奨販売だけ遅れている理由の推測
背景には、次のような事情があると考えられます。
① ハ方式廃止が業界構造を大きく揺るがすため、利害調整が難航している
今回の見直しは、乗合代理店だけでなく、自動車ディーラー・企業内代理店などの副業代理店にも影響します。これらの代理店は、従来のハ方式(商品比較の簡易説明)に依存していたため、ロ方式(顧客意向起点の比較)への完全移行は実務的に負荷が大きいのが実情です。業務停止リスクもあるため、金融庁としても慎重な調整が必要になっていると考えられます。
② 推奨理由の記録・保存の負荷が大きく、システム対応が間に合わない
比較推奨販売の見直し案では、「推奨理由の記録・保存」を求める方向性が示されていました。しかし、これを実務で行うには、
 〇 生損保保険会社のシステム改修
 〇 代理店側の管理体制整備
 〇 記録の標準化
 〇 データ保管のルール整備
など、非常に大きな負荷がかかります。業界全体で「すぐには対応できない」という声が多く、再検討が必要になっている可能性が推測されます。
③ 府令・監督指針・様式が複雑に絡むため、整合性調整が難しい
比較推奨販売のルールは、保険業法、内閣府令、監督指針、各種様式、乗合代理店の実務ルールなど、複数の規定が重なっています。そのため、他の改正部分と同時に公表することが難しく、比較推奨販売だけ切り離して調整しているという状況が見えてきます。

3.6月末になっても公表されない理由の推測
お役所は例年、年度替わり前(3〜6月)にパブコメ結果を公表し、7月に人事異動(年度替わり)を行い、新体制で新年度に向かうという流れが定番です。しかし今年は、
 〇 改正法は施行日が決まっている
 〇 他の改正部分は公表済み
 〇 比較推奨販売だけ未公表のまま6月末に突入
という異例の状況になっています。これは、何らかの課題が解決していない可能性が高いと考えるのが自然です。

4.代理店としてどう受け止めるべきか
現時点での最も合理的な対応は、次の3点です。
① 慌てて新ルールに合わせる必要はない
比較推奨販売の最終ルールはまだ固まっていません。正式なパブコメ結果が出るまでは、現行ルールの適正運用が最優先です。
② 情報収集を続ける
金融庁の公表タイミングは読めません。業界紙・金融庁サイト・保険会社の通知を定期的に確認することが重要です。
③ 公表後に一気に対応する準備をしておく
比較推奨販売は代理店実務に直結するため、公表後は短期間で対応が求められる可能性があります。

<まとめ>
 〇 比較推奨販売のパブコメだけ「別途公表予定」とされている
 〇 背景には、業界構造・システム負荷・規定整合性など複数の課題がある
 〇 6月末まで未公表なのは異例
 〇 代理店は慌てず、正式公表を待つのが最も合理的
 〇 今は現行ルールの適正運用と情報収集が重要
比較推奨販売は、代理店実務に直結する重要テーマです。正式なパブコメ結果が公表され次第、改めて整理してお伝えしたいと思います。

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