企業における意思決定は、トップが決めて通知するだけでは品質が伴いません。 品質を左右するのは、その手前にあるコンセンサス形成です。このプロセスを省略してしまうと、施策や決定事項を全社に通知しても、背景や論議の経緯が伝わらず、理解が進まないまま「やらされ感」だけが残ります。
特に代理店組織では、近い立場の人からの口頭説明を経て、自分の考え方を整理するプロセスが必要なケースが多いと感じています。
弊社では、業務品質を高めるには社内の業務プロセスの統一化が不可欠だとお伝えしてきました。統一化できれば、その精度を上げることで組織全体の品質を高めることが可能になります。個々の品質ではなく、組織としての品質を高める取り組みこそ、今求められている体制整備です。
1.品質はコンセンサス形成が基盤になる
組織の意思決定は「トップが決めること」ではありません。その前段階である担当部署やリーダーの共通理解が整って初めて、意思決定は組織に浸透します。
〇 担当者が背景を理解している
〇 部署内で論点が共有されている
〇 修正すべき点が洗い出されている
〇 合意できる部分と課題が明確になっている
この状態が整っていれば、トップの意思決定は組織の意思決定として機能します。つまり、この手前の工程こそが、品質を左右する核心部分です。
2.プロセスの省略は、組織の混乱を招く
小規模組織ほど、「トップが決めたから今日からこれでいきます」という通知型の意思決定が起きがちです。しかし、この方法には次のような問題があります。
〇 背景や論議の経緯が伝わらない
〇 なぜ必要なのかが分からず、腹落ちしない
〇 当事者意識が生まれない
〇 その結果、従わない人が増えてしまい、統一化が進まない
特に代理店のような組織では、口頭での共有 → 近い立場の人からの説明 → 自分の考えの整理というプロセスを経ないと理解が進まないケースが多いのです。社内レターだけでは、「なぜこれをやるのか」が伝わりきらないのです。
3.業務プロセスの統一化=コンセンサス形成の土台
代理店組織では、業務プロセスの統一化に対して抵抗が生まれることがあります。だからこそ、統一化の前段階であるコンセンサス形成が重要になります。
〇 統一化されている
→ 担当者同士の認識が揃う
→ 部署内の理解が揃う
→ 全体の方向性が揃う
〇 統一化されていない
→ 人によってやり方が違う
→ 認識が揃わない
→ 背景が共有されない
→ 業務品質が上がらない
つまり、統一化は意思決定の前提条件です。そしてその前提を整えるのが、コンセンサス形成というプロセスです。
4.組織品質は共通の品質
個々の担当者が高品質でも、やり方がバラバラであれば、社外から評価する際には、一番低い担当者の品質が組織の品質になります。逆に、やり方が統一化されていれば、「誰がやっても同じ品質」で業務ができる状態になり、その精度を上げることで組織の品質は確実に高まります。組織品質を高めるには、統一化を決定する前段階であるコンセンサス形成のプロセスが欠かせません。
5.代理店組織の特徴はコンセンサス型
代理店組織は、一般企業よりも人間関係・口頭共有・近い立場の人の説明が意思決定の理解に強く影響します。だからこそ、社内レターだけで意思決定を伝えると理解が進みません。代理店組織においては、次のプロセスが特に重要です。
〇 担当者同士の共有
〇 部署内の口頭説明と意見交換
〇 背景と論議の経緯の共有
これらを丁寧に行うことで、意思決定の品質は大きく高まり、業務の品質も大きく高まります。
<まとめ>
〇 意思決定はトップだけの仕事ではない
〇 担当者・部署レベルのコンセンサス形成が品質を決める
〇 通知型の意思決定は背景と論議の経緯が伝わらない
〇 統一化された業務プロセス=コンセンサス形成の土台
〇 業務品質は、共通の品質で決まる
〇 代理店組織は特にコンセンサス型で動く
つまり、意思決定の品質は、手前のプロセスの丁寧さで決まるのです。これは、弊社がお伝えしてきた「業務プロセスの統一化」と完全に一致する考え方です。この考え方が、皆さまの組織づくりの一助となれば幸いです。



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