過去10年間で、損害保険料は大きく変化しました。
〇 火災保険料(含む地震保険料):約 +62%(約1.6倍)
〇 自動車保険料(任意):約 +14%(約1.1倍)
自然災害の激甚化や事故件数の減少など、構造的な要因によるものです。そして、保険料が上がれば、当然ながら代理店手数料も同じ率で増えています。
1.代理店手数料は構造的に増えている
代理店手数料は、収入保険料に比例する仕組みです。
〇 火災保険:手数料率 約22%
〇 自動車保険:手数料率 約18%
つまり、火災保険の代理店手数料は10年で約+62%、自動車保険の代理店手数料は10年で約+14%増加していることになります。代理店さんの収入は、構造的に増えています。
2.代理店側の言い分
代理店経営者の皆様は、こう言うかもしれません。
〇 手数料ポイントが下がった
〇 人件費が上がった
〇 新卒採用費や事務所の改装費がかかった
〇 デジタル化への投資が必要
〇 コンプラ対応が増えた
しかし、これらは代理店ビジネスに元々内在するコストであり、保険料の増加による手数料増加とは因果関係がありません。ここを混同してはいけません。これは紛れもない事実です。
3.業務品質、特に募集品質は向上したか
保険料が上がり、手数料も増えているのに、その間に起きた事象はむしろ逆です。
〇 ネット型損保への契約流出
〇 更新時の契約離脱
〇 お客様からのご不満の声の増加
〇 保険料上昇による契約見直し相談の増加
つまり、お客様は代理店さんの価値を以前ほど感じていない可能性があるのです。では、代理店さんは、この10年間で何を向上させたのでしょうか。
(1)募集品質の向上
顧客の生活変化への対応力の向上
契約内容に関する説明力の向上
お客様を取り巻くリスクへ対応力の向上(更新時の見直し提案力)
法令改正に伴う対応力の向上
(2)安心・安全を感じられる提案力の向上
デジタル活用によるお客様理解度の改善
事故対応の質と安心・安全度の向上(事後フォロー含む)
お客様満足度の測定と改善力の向上
お客様との接点の頻度・質の向上
お客様は、代理店さんで加入する意味を感じているでしょうか?ここが、今回のテーマの核心です。
4.新しい視点を持つ経営者の出現
保険料が上がったからこそ、代理店さんは、価値の再構築を求められています。経営者の中には、以下の様な視点で事業活動を進めている方々もいます。
〇 ネット型損保に負けない人間の価値を磨く
〇 手数料増加分をお客様の価値創造に再投資する
〇 お客様が安心できる情報提供の仕組みをつくる
〇 更新時の提案を事務作業から価値提供へ変える
〇 この代理店で良かったと思えるお客様体験をつくる
これらは、いずれも所属している保険会社が教えてくれない取組みです。
<まとめ>
保険料が上がると、代理店さんへの期待が増えます。なぜなら、お客様が接しているのは保険会社でなく、代理店だけだからです。とすれば、お客様の期待に応える為に、何ができるか、何が求められているか、何を提供すれば代理店で加入していて良かったと言われるかを考えるべきでしょう。保険料が上がった今こそ、代理店で加入する意味を再構築するタイミングです。
代理店経営者の皆様の中には、耳障りの良くないテーマだったと思われます。しかし、所属している保険会社をじっと観察して下さい。この切り口で代理店さんの事業活動に寄り添って、事業提案や改善活動などの相談をしてきたでしょうか。ここ10年間で、代理店吸収合併による規模の拡大、体制整備と言う名の組織活動くらいしか、話題がなかったのが事実ではないでしょうか。本日は、かなり現実的なお話をし過ぎましたので、「いいね!」は期待しないことにします。最後までお読みいただき、ありがとうございました。



コメント