最近、政党が分裂したにもかかわらず、政党交付金を受け取るために「形式上だけ」一人の議員が残り、他の議員は別のグループに移ったという報道がありました。このニュースを見て、皆様と同じように、私も強い違和感を覚えました。ただし本日は、政治の話をしたいわけではありません。この出来事は、組織運営・ガバナンスの観点から見ると、示唆に富んだ教材になると感じたため、取り上げます。
1.形式と実態のズレ
今回の政党の事例は、次のような構造でした。
〇 形式上は政党が存続するが、実態は分裂していて中身は伴わない
〇 目的は政党交付金の受領
〇 本来の趣旨(理念・政策の共有)は置き去り
この形式と実態の乖離は、政治に限らず、企業でも起こり得ます。
〇 書類上はルールが整備されている
〇 実態は運用されていない
〇 会議体は存在するが、機能していない
〇 制度を守ることが目的化し、本来の趣旨が忘れられる
つまり、形式が整っていても、実態が伴わなければ、組織は健全性を失うということです。これは、どの組織にも起こり得る構造的なリスクです。
2.自社を見直す機会に
政党の事例は、取締役会や他の会議で、次のような議論をする絶好の題材になります。
〇 形式と実態の整合性:制度やルールが形骸化していないか
〇 社内の常識と社会の常識のズレ:自社の判断は、社会から見ると不適切でないか
〇 制度の目的化:本来の趣旨を忘れ、制度を守ることが目的になっていないか
〇 ガバナンスの機能性:委員会や会議体は実態として機能しているか
〇 自己点検や内部監査の実効性:形式的なチェックになっていない
〇 違法ではなければ、何をやっても構わないという考え方に陥っていないか
社会で起きた違和感は、自社のガバナンスを見直す絶好の機会になります。これが今日のテーマの本質です。
3.このテーマを取り上げる理由
私はコンプライアンスを専門にしていますが、その本質は、形式ではなく実態を守ることです。今回の事例は、「形式が整っていれば良い」という発想が、どれほど組織の信頼を損なうかを示す象徴的な出来事でした。企業でも同じことが起こり得ます。
〇 社内の常識が、社会の非常識になっていないか
〇 制度や仕組みが目的化していないか
〇 実態が置き去りになっていないか
経営層がこのテーマを議論することで、組織の健全性を守るきっかけになると共に、信頼を大切にする風土づくりにもつながると考えています。
<まとめ>
〇 政党分裂の事例は、形式と実態のズレを考える良い材料
〇 組織は、形式が整っていても実態が伴わないことがある
〇 社内の常識が社会の非常識にならないように
〇 経営層が議論することで、組織の健全性が保たれ、信頼を大切にする風土を作る
この事例をきっかけにして、社内で論議するだけでなく、自己点検や内部監査の形式と実態のズレについて調査することも、一考に値するかも知れません。本日は、社会で起きた出来事を組織を見直す機会として捉え、軽めのテーマとして整理しました。皆様の経営判断に、少しでもお役に立てば幸いです。



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