私立保育園の事務職員が、仮払い名目で個人口座へ50回振り込みを行い、着服したと報道があった。どんな企業団体でも不祥事は起こり得ます。また、残念ですが不祥事を100%防ぐことはできないです。
不祥事には一次災害と、発生後に生じる二次災害があります。一次災害を防ぐには、未然防止策を講じておく必要があります。一般的には事務職員が振り込みを行う際、ダブルチェックを行い未然防止策とします。今回のように事務職員が園の理事長の娘であれば、力関係によってルールを無効化する可能性があります。不審な振り込みに気づいた職員がいても、理事長へ通報できないかも知れません。また、力関係から、パワハラが生じる可能性もあります。
二次災害としては、企業団体の経営を揺るがす場合や、発生後の対応誤りによるレピュテーションリスクが考えられます。レピュテーションリスクとは、報道やSNSなどにより企業団体の信用やブランドイメージが低下するリスクのことです。
二次災害への対策は、早期発見の仕組みと、不祥事発生時の対応要領を定めておくことです。今回は翌年度の内部監査で発覚したので、長期間に至りませんでした。更に、役所への速やかな報告、園児の両親に与える影響を考えて速やかに対外公表したことで、二次災害を防止できたと思われます。
企業団体側からすれば、平時に不祥事リスクの範囲を定めるのは難しいです。その場合は、不祥事が起こったら、企業理念や経営理念に立ち返り、理念に掲げた内容に沿って対応すると決めておき、具体的な他社の事例を基に、自社に置き換えて対応方針を記録しておくと、ブレない判断ができます。



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