公的保険制度について

昨年末の保険会社向けの総合的な監督指針の改正に伴い、公的保険制度等に関する適切な情報提供を行うことで、顧客が自らの抱えるリスクやそれに応じた保障の必要性を理解したうえでその意向に沿って保険契約を締結することが図られているかという点が、監督上の着眼点として、明確化されました。

保険の募集にあたり、意向把握・確認を行う際、公的保険の説明を行うことで、顧客が適切に判断することが可能となり、それが顧客本位の業務運営に資するという趣旨を述べています。

逆に公的保険に加入する際や脱退する際、民間保険との補償の関係性までは説明できないので、公的保険は意向把握・確認ではなく、広報活動を行うことで顧客本位の業務運営に資すると整理していると読み取れました。広報活動については、以下のとおりです。

厚生労働省などで年金ポータルの開設、パンフレットの作成、対話集会の実施など取組みを行い、金融庁は、金融経済教育動画、パンフレットなどで、公的保険と民間保険の説明をし、金融庁ウェブサイトに、公的保険制度を解説するポータルサイトを作成しています。

改正趣旨を踏まえ、保険代理店さんは、取り扱う商品や募集形態に応じて適切に判断し、創意工夫を発揮した対応を求められます。こういう話を聞くと、直ぐに社内ルール化を行い、FD宣言やHP等での取組みの公表を行う代理店さんがあるようですが、改正の趣旨と異なるように思います。

金融庁が作成している公的保険ポータルサイトの内容を説明することを社内ルール化して、募集人教育を行えば、改正の趣旨に合っています。それ以上の高みを目指す代理店さんは、公的保険の具体的な支給金額や支給条件までご説明することで、顧客がリスクや補償の必要性について考える機会ができると思います。

体制整備の一貫として、顧客本位の業務運営に資する取組みとしてご検討ください。画像は、金融庁が公表している公的保険ポータルサイトより引用しました。

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