多くの中小企業では、売上拡大、コンプライアンスの強化、経費の削減、DX促進などの施策には、人による変革の要素が大きいそうです。本日は、変革の要素について、考えてみます。
人の強力なリーダーシップも必要とは思いますが、今の時代は、たとえ社長であっても、一人で全社を変革させることは、なかなか難しいようです。例えば、DX促進は、詳しい担当が社内へいくらアピールしても、各事業部の業務フローや特性を理解した協力者がないと、なかなか浸透しません。
そこで、各施策を進める為の社内の仕組み作りが大切になります。仕組み作りとは、人、業務フローなどが、ルールやマニュアルなどに基づき統一運用する為の支援者、システム、ルール、業務フロー、けん制行為などを指します。
仕組み作りをする為には、まず担当チームが必要です。経費の削減であれば、何のために経費の削減をするのか、各事業部ごとに何を削減するのが適切か、交際費を削減すると売上が落ちるかなど、言われてみれば疑問に感じる事象を丁寧に説明するロジックを策定する役割を付与します。社内でブレないようにするのが目的です。
次に、たとえ定性的であっても全社のゴールを設定し、社長や担当役員がはしごを外さない程度まで腹落ちしていること、担当役員が役職員へ説明して理解させる説明ができることが、仕組み作りそのものです。やっておけ、任せたと言うのは、現代の経営にはそぐわないのかも知れません。
そういう意味でも、仕組み作りという新たな業務を兼務するキーパーソンを各事業部に設置できるかどうかは、スムーズな仕組み作りの浸透に役立ちます。変革は、新しい業務の任命とその業務を優先する雰囲気作りや経営層による盛り上げが、推進力を高めます。
経営層が、推進力を後押しすることで、社内の多くがその施策に関心を持つようになります。結果で評価すれば良いと考えるならば、経営層に関心がない施策について、役職員が強力に推進するかどうか、役職員の立場になって、考えてみてください。
仕組みは、経営層が作ると言っても過言では、ありません。役職員に対して、興味を持たせる、仕組み作りキーパーソンから各業務のフローに落とし込んだ説明をさせる、初めに取組んだ部署の好事例を広めるなど、地道な進め方こそ、仕組みが自動的に動き出す源泉になります。
規模拡大、経費削減、DX促進などの目に見える結果が出る施策ですら、こういう状況に当てはまるのですから、コンプライアンスの推進や強化のように目に見える結果が直ぐには出ない施策であれば、仕組みによる真の変革が必要なことが分かります。



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