津波警報が鳴り、代金は要らないから、お客様をすぐに避難させるように指示した店長の対応が、ネットで称賛を受けている。マニュアルには、避難指示が出たら生命の安全を最優先し、臨時休業することになっていたそうだ。店長は、なぜマニュアルに書いていない行動を取ったのか。
何のためのマニュアルなのかを理解していたから。緊急時の最優先事項は、お客様と従業員の生命の安全。細かくケースごとに書いてあっても、緊急時に置かれる環境の多くは、マニュアルに書いていない環境である。その時、拠り所になるのは、何のために行動するのか、最優先事項は何か。言い換えれば「目的、コンセプト、背景」の理解に尽きる。
コンプライアンスの取組みも似たような側面がある。従業員に覚えてほしいのは「目的、コンセプト、背景」。教育する場合には、冒頭にこれを繰り返し説明し、たとえ緊急時に置かれた場合にも、拠り所となることを伝えることが大切だと思う。



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