産地偽造

あさりを輸入して海外生育期間を短く偽造し、国内育成期間の方を長くすることで、国産と偽り出荷していたニュース。県内の漁獲量より多く出荷をしていたというから驚き。複数の業者に加え、漁協も10年以上前から認識していた。共謀を疑いたくなる。3方向から考えてみる。

一つは、内部統制活動の限界。業者と漁協が結託すると、不正を正す機能がなくなる。営業が架空計上しても、上司や経理が気づくはずが、容認すると習慣化し、長期化するのと同じ。相互牽制者が共犯者になることは、内部統制活動の限界、仕組み作りの限界と言われている。

次は、統計数字の変化に疑問を持たなかった統計機関。一定地区の業者による輸入量が増え、あさりの漁獲量が増える傾向に対し、異常値を感知しなかった。定点観測に対する考察力が足りなかった。今後は、AI機能も必要になる。

最後は、この手のニュースに触れた際、他山の石とせずに、自社でも同様の事象、虚偽申告、異常値の見逃し、業界の悪習慣がないかを見直す企業がある。他山の石は、お客様からのご不満の声より、はるかに宝の山であることが多い。他山の石から学ぶ仕組みを作ろう。

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