還暦の前後において、加入している保険の補償内容を見直しました。本日は、シニア層の保険について、自分の経験を踏まえて、考えてみます。
50歳がシニアの始まりとします。その頃になると、企業人なら、自らの職場環境が変わり始めます。役職・年俸・待遇・健康状態により、始まる年齢に個人差はありますが、段階的に社会での活躍の終わりを迎えます。この「段階的に」という期間において、自分の生き方について考える人と、そうでない人がいます。
次に、家庭環境にも変化が生じます。子息が社会人として独立したり、独身の方は近しい親族との関係が深まる時期でもあります。また、両親の介護や生活の見届けが始まる場合もあります。そこで、自分の立ち位置について考える人が、現れます。
上記二つの環境変化に伴い、優先順位の変化が起こります。顕著なのは、仕事・家庭・健康・趣味の優先順位が変わることです。分かりやすいのが、休日の過ごし方です。会社や取引先とゴルフなどの行事が中心だった人が、趣味や近所の付き合いなどを大切にします。少し体調に変化が生じると、医者へ行くようになります。
こういう事象が生じるシニアには、保険加入の見直しが必要となります。ただ、この年代は、誰かに決めつけられるのを極端に嫌います。ファイナンシャル・プランナーや代理店さんは、以下の手順で、お客様のニーズを確認してみたら、いかがでしょうか。
1.50歳代になってから、生じた環境変化について、お客様に問いかける。
2.初めは、自身の健康状態、両親の健康状態、家族の進学状況から。
3.その後、勤め先での環境変化がないか、問いかける。
4.次に、趣味や最近興味があること、勤め先以外の交友関係、
5.60歳になって、仮に働き続けるとしたら、どういう生活を送りたいかを問いかける。
6.話を総合的に聞いて、生活感や大切にする考え方などを語っていただく。
そのうえで、シニア人生を過ごすにあたり、必要な補償は何か、自社の商品ラインナップをもとにして、問いかけます。その際は、商品の概要を説明しても、保険料の見積もりはしません。お客様の人生に必要な補償が決まるまでは、商談はしないでください。
お客様の必要な補償が決まったら、保険料の見積もりを行います。その場で成約するのではなく、一度持ち帰っていただき、家族や近しい親族と相談したり、自ら考え直す時間を提案してください。一人になれば、勝手に予算を決めて、自分で結論を出しますから、次回面談では成約すると思います。
シニアは、振り返りの時間と、一人の時間を大切にします。既に、50年も社会に揉まれて生きている訳ですから、人の指図は受けないと考えて下さい。商品の良さや、加入実績などの情報は不要です。シニアは自分の感性を大切にしたいものです。
仮に、貴方はどう思うか、どれが良いと思うかと聞かれても、「私はプロですから、ご提案することはできますが、今までの人生で他人に薦められて、本当に良かったと思うことが、ありましたか?」と尋ねてください。自分で決めることが、楽しいということを暗に理解してもらうことで、商談の満足度が大幅に向上します。最後に、意向を再確認する際、お客様が自分の人生について語り始めることもありますが、最後まで、聞いてあげてください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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