ラグビーのリーグワンに所属するAチームの選手30名が、スナックで乱痴気騒ぎを起こしました。その際、怒った店員にチーム名を聞かれて、Bチームと虚偽の回答をしました。本日は、この事件について、考えてみます。
合宿の打上げで繁華街へ繰り出し、気持ちが緩んだとは言え、酔った一部の選手が服を脱ぐ、女性店員の体を触る、店のグラスや備品、高級ウイスキーのボトルを破壊し、店のレジを勝手に開けて中のお金を数えたりしました。社会人として、あるまじき行為です。
店側は、当初、Bチームへ賠償請求を行いました。Bチームは心当たりがなかったので、Aチームへ通知しました。受けたAチームスタッフは、選手の退社や契約解除をチラつかせて、賠償金支払うよう誘導し、選手が賠償金を支払いました。その後、店側から追加請求を受け、チームスタッフは同様に誘導しましたが、選手が従わず、弁護士に相談してチーム運営会社との間に入ってもらっているそうです。
問合せに対し、チーム運営会社は「本件は解決済につきコメントは差し控える」、親会社は「被害を受けたお店と話し合って解決した。引き続きコンプライアンスファーストの意識を徹底することは、やって参りたい」と回答しました。リーグワン事務局は、事案発生報告は受けたが、金銭の支払い等に詳細は承知していない。事実関係確認中とのことでした。
本件では、Aチームスタッフの初動に問題があります。選手に賠償金を支払わせれば、表沙汰にならずに解決できると考えたことが誤りです。Bチームから通知を受けたのは、既に表沙汰になっている証拠です。また、問題の解決には、賠償金の支払いよりも、責任者による店側への謝罪が最優先です。
法令に触れる行為があれば、法令違反に対して行政処分を受けます。スナックにおける店内ルール違反があれば、お店からの注意や出入り禁止などの措置を受けます。この場合は、乱痴気騒ぎと言う社会規範に反する行為があるので、チーム練習・試合の禁止や対外活動の停止などの社会からの制裁を受ける覚悟が必要です。
コンプライアンス経営を行っている企業であれば、現場スタッフが見ても分かるように社内マニュアルに記載して、不慮の事態が生じた場合は、必ずマニュアル通りに対応を行い、不安な点があれば、本社担当部署に相談して指示を仰ぐように教育しなければなりません。
本件の親会社は、最近、品質不正で大きな事件を起こして、社会から冷たい目で見られていただけに、手痛い事件となりました。このような事態にならない為に、経営者はコンプライアンスが社内に根付いているか、定期的に確認して、不足や不備があれば、教育し続けなければ、ならないと思います。



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