新しいリスク

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最近、面白おかしい動画を撮影し、SNSで流行らせたいという衝動が抑えきれずに、法令違反や社会規範にもとる愚行を投稿する人が増えています。多くは学生のようですが、仮に、企業従業員だった場合、SNSは容赦しませんので、勤務先を暴露し、炎上や誹謗中傷が、企業側にも飛び火する可能性があります。本日は、SNSで個人が発信した情報が、炎上した場合のリスクについて、考えてみます。

自分にとって面白おかしくとも、世間や社会の見方が異なることは、多いです。SNSは、異なる感性を持つ人が見るので、より慎重に投稿すべきです。一部の企業では、会社ならびに顧客の情報を個人のSNSへ掲載することをルール化し、従業員研修でリマインドして、テストで確認しています。

特に、動画では、場所・時間・人などが特定されやすく、違反や犯罪の証拠にもなります。いたずら心であっても、投稿した動機・背景・目的まで説明しないので、視聴者より、炎上コメントや誹謗中傷を受ける可能性があります。

SNSは、作る側や掲載する側の温度は熱いが、見る側、受け取る側は極めて冷静であることを承知しておく必要があります。見方を変えれば、SNSはツッコミどころが満載なツールなのです。従業員個人が発信するSNSには、新しいリスクが潜んでいます。

企業が取るべく対策は、従業員に対してSNSの使用を制限することや、会社生活に関する投稿を禁止することでしょうか。確かに一時的には効果はありますが、冒頭でご説明したとおり、流行らせたいという衝動が抑えきれずに発信するので、禁止行為や投稿制限などに気付くくらいなら、こうした事件は、起こりません。

投稿内容によっては、個人が受けるダメージが大きいことや、投稿の結果、本人が会社にいられなくなるほどの嫌がらせを受ける可能性があることなど、具体的な事例を入れながら、研修を行うことが望ましいと思います。個人に対して強制できないことを考えると、研修の中で、受講者同士で論議するパートがあると、浸透しやすいです。

会社製品に関すること、社内でしか知り得ない情報、弱者に対する暴言、特定の個人や団体に対する誹謗中傷など、想定し得る炎上テーマについて、洗い出しを行い、どういう経過で炎上に繋がるのか、管理職の間でディスカッションしてみると、リスクとして認識し、理解が深まると思われます。

完全な正解がないテーマではありますが、自らの口で想定した内容や結果などについて語ることで、リスク感覚が身に付けることができます。紙や社内通達などで伝えるには限界がありますので、一辺倒な指示や命令にはそぐわないテーマです。自らも、これを機に、もう一度考え直してみます。

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