木を見て森を見て

arrows pierced on a target

不適切や不正な事象が起こると、再発防止策を講じます。再発防止策は、不適切や不正な事象がこれ以上起こさない環境作り、すなわち、法令遵守と標準的な品質を目指しています。年度初に定めた「社会の要請に合った、高品質な環境作り」という高い目標と異なる施策になることがあります。本日のテーマは、そうならない為に気を付けたい点について、考えてみます。

不適切や不正な事象の再発防止策は、当該発生部署が策定し、本社コンプライアンス担当部署へ報告することが多いです。本社は、その再発防止策を全社に展開して、次の同種事案の発生を未然に防ぎたいと考えます。

本社コンプライアンス担当部署の中には、不適切や不正な事象の対応部署と、高品質を目指しコンプライアンス実施計画を企画する部署があるはずです。不適切や不正な事象の担当部署は、法令遵守と標準品質へ戻すことにフォーカスしがちです。ここに落とし穴があります。

そこで、再発防止策を全社へ展開する際は、年度初に定めたコンプライアンス実施計画や年度目標を確認して、その中に入れ込むことができないかを検討する仕組みを作れば解決します。コンプライアンス実施計画や年度目標のどこに該当するのか、指し示すことが可能となり、受け取る側の第一線や現場も、目的が明確になり、理解が深まるからです。

リスクが顕在化し、そのリスクにフォーカスする時こそ、「木を見て森を見ず」にならないように、全社がターゲットとしている高い目標や品質に対する取組みや施策になっているか、考えたいものです。そういう仕組みを作るのも、コンプライアンス担当部署の役割り、言い換えれば、体制の整備です。

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