委託費搾取で逮捕

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コロナワクチン接種業務を請け負った企業が、実際よりも多く人件費を計上し、委託費を不正に請求したと報道があり、以前にお伝えしましたが、ついに、逮捕者が出ました。本日は、「不正は必ず明らかになる」「不正が起こる要素」について、リマインドします。

新型コロナ感染症の急激な拡大に伴い、政府は、自治体や企業にもワクチン接種の委託を呼び掛け、早期接種ができる体制を整えました。委託費の申請を簡素化して申告ベースで支払い、内容は後日検証することを条件に、企業の参入を促しました。これを悪用して、後日検証されることを忘れて、不正請求に至ったと言うのが、本件です。

不正行為には、必ず行為者に動機があり、行為を行う機会があります。この二つの要素があるだけでは、不正が生じるには至りませんが、正当化という要素が加わると、不正が起こり、それが繰り返し行われます。

今回は、恐らく何か偶然の事象や間違いが起こったと思われます。例えば、想定より人件費が少なくて済む事態などです。人件費が少なければ、訂正して委託費申請を行えば良いのですが、そこに、収入減少という動機と、誤ったまま申請する機会があります。間違いに気づかなかったと、整理するのです。

間違いに気づかなかったと整理してしまうと、社内でそれを正当化してしまうことになります。一旦、上司が承認したと同じこととなり、同じ過ちを繰り返します。そうなると、歯止めが効かなくなり、巨額の不正請求事件に発展します。

政府は、企業側の申請に従い、委託費を支払い、後日検証を行うと言っているのですから、人件費のような変動係数は、間違いなく検証するはずです。それが、間違いに気づかなかったという事象と置き換えられてしまったのです。

残念なことではありますが、このような不正行為に対するワクチンは、ありません。有名な大企業でも、簡単に犯罪に手を染めるという教訓と共に、誤りや間違いを発見したら、直ぐに謝罪して訂正するという風土、誤りと認めることを許容する文化を育みましょう。

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