世帯間ギャップ

man teaching woman in front of monitor

最近は、新人が、メールやチャットで、絵文字を使ったり、Googleで調べれば分かることを先輩に尋ねてくることが、あるそうです。本日は、新人世代と先輩との間のビジネス上のギャップについて、コンプライアンス経営の観点で、考えてみます。いつもより少し長文になることにつき、ご容赦ください。

先輩の世代は、「大学を卒業していれば、その程度のことは、分かるだろう」と決めつけては、いけません。昔から、大学では、ビジネスマナーの勉強や、各社のしきたりについて、教える講座はありません。先輩の世代の方々は、上司や先輩に怒鳴られながら、身体で会得したのでは、ないでしょうか。

新人世代について理解を深めることで、解決の糸口になります。新人は、大学生活の多くをコロナ禍による外出禁止や集団行動自粛で過ごしました。授業はオンライン講義、友達と仲良くなる機会は少なく、クラブ、同好会、バイトなど、人との接触を控える時代を過ごしました。それゆえ、バイトでビジネスマナーや社会人らしいことを習得する機会も、少なかったと理解する必要があります。

上記の環境を理解したうえで、通常のビジネスマナー研修を変革させる必要があります。例えば、社内外へのメール送付の際の失敗例と成功例、顧客訪問の際の準備に必要なこと(乗換案内を活用した経路検索、必要な持参品の準備など)、社外と上司が一緒にいるケースにおける言葉の使い方、お客様接待のフロー(場所選定方法、案内文書やメール作成、下見、事前打合せ、始め方と終わり方、二次会の設定有無、お見送りなど)などです。具体的にテーマを絞り、更に行動を細分化して示しながら、失敗例と成功例を示し、新人の共感が得られるかを確認しながら進めることで、少しずつ理解していきます。

なぜ失敗(成功)なのか、失敗(成功)した結果、どうなったのかを示してください。そのうえで、効率的で、ビジネスとして有効な運営について、意見交換しながら進める手法が有効だと思われます。新人を教えるのではなく、従来の企業のビジネス常識を示して、ビジネスの課題について意見交換しながら、自社のビジネスマナーを変革していく参考意見を得るくらいの価値観で臨むと良いと思います。

コロナ禍では、止む無く在宅勤務を増やしていたものの、現在では元通りの全員出勤体制に戻した企業の場合を考えます。こうした企業は、時代の変化に一度は付いていったものの、環境が緩めば元に戻るという、新しいものを積極的に活用できないタイプの企業であるケースが多いです。上司や先輩が、自らの在宅勤務の実態について、お話したうえで、新人には、在宅勤務の課題と、それに対する解決案の意見を求めると良いと思います。

新人たちは、学生時代にオンライン授業を受けて、学友とのコミュニケーションの取り方に苦戦しながらも、無事に単位を取得して卒業したノウハウを持っています。企業側は、このスキルを自社の業務フローやビジネスモデルに活用できないか、考えると良いと思います。

新人たちが十分に自分の意見を話した後、自社の現在の業務フローやビジネスマナーについて、説明していけば、新人たちは一定程度は理解を示します。時間が足りない場合は、研修後アンケートにて、自社のマナーや業務フローに関する課題と、改善案について、書かせれば良いです。

自分が感じた課題と改善案が、自社のビジネスモデルの参考にされると、満足感を得ると同時に、現在のビジネスマナーや自社のやり方について一定程度の理解を示します。ギャップを埋めようとしないで、課題と改善案という言葉を活用し、お互いの理解を深める工夫をすることで、結果として世代間にあるギャップが少なくなると思います。

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