企業において、コンプライアンス研修は、必須のアイテムになりつつあります。本日は、コンプライアンス研修において、大切なことについて、お話したいと思います。
研修の目的は、実は、各社により様々です。年度コンプライアンス実施計画に基づき行う研修、不祥事や不適切な事象が発生したことを契機に再発防止策として行う研修、事業活動に伴うリスク事象につき早期発見や未然防止力を高める研修、役員や管理職向け研修、新入社員向け研修など階層別研修などが、あります。
事前に、各社の事務局とお打合せを行いますが、研修の目的、背景に何が起こっているかなどを確認します。そのうえで、研修の冒頭に、受講者の皆様にご説明します。そのうえで、どういう観点で受講して欲しいかをお伝えすると共に、研修の流れをご説明します。
本題に入ると、受講者の皆様が経験したことがある事象や、過去に発生したアクシデントなどを盛り込みながら、どうすれば避けられるか、そうならない為には何に気を付けるか、避ける為の仕組みができないか、などを考えていただきます。受講者を守るという意図をお伝えすることで、ネガティブな発想を排除する狙いがあります。
課題認識を共有できたら、ディスカッションの時間に入ります。事務局や役員の方々は参加しません。受講者同士の意見交換の方が心理的安定性が高いことから、実務に沿った意見交換になります。
ディスカッションで出たご意見を代表者の方に発表いただきます。私からは、その時に少しコメントさせていただく程度ですが、ご意見のリマインドの役割りをしています。最後は、まとめを行います。何となく受講者の方々と、方向性が同じになってくれば、成功と考えています。
質問を受けることもありますが、質問の中には後ろ向きのご意見もありますので、必ずしも正解の回答をお示しできるものでは、ありません。ここで大切なのは、コンプライアンスの取組みは、同じ方向に向いている人としか共有できないということです。研修の真の目的は、受講者の皆様が研修を受講して意見交換した結果、多くの方が同じ方向に向くことです。



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