芸能事務所の創業者による性加害行為の被害者は、327名に及び、今後も増える模様です。前回会見後の社会の反応を踏まえ、10月2日に会見を行いました。該社には、プロ経営アドバイザーが付いていると思われますが、企業の信頼回復への道のりについて、弊社の視点で考えてみます。
まず、なぜ該社は、社会の信頼を失ったのかを考えてみます。
① 創業者は、タレント育成のプロだったが、未成年者へ性加害行為を繰り返し行う犯罪者だった。
② 該社役員・従業員・タレントは、うすうす行為に気づいていたのに、声を上げなかった。
③ 強い権力を持ち、不都合な対応を行う報道機関には、脅威の存在であり、忖度されていた。
④ 創業者の親族役員は、止めることなく、正当化していた。
⑤ 第三者機関の調査結果を知るまで、事実と認めなかった。
該社が、信頼回復する為に必要なことを考えてみます。
① 事件の全容を解明し、他に加害者がないかを確認する。
② 被害者を特定し、謝罪のうえ、被害者救済を最優先する。
③ 被害者救済の一部として、金銭補償を行い、示談で解決する。
④ 経過報告を定期的に行い、全容解明と再発防止策の進捗状況を説明する。
⑤ 事業活動を続ける場合には、最小限の活動に留める。
スポンサー企業側が今回の会見を聞いて、違和感を感じたと思われる点について、考えてみます。
① 前社長が会見にいない。(被害者への気持ちが伝わらず、誠意が感じられない)
② タレント出身者が、被害者対応を行うべきでない。(見て見ぬふりした人は、寄り添えない)
③ 全容解明見込み、被害者対応の見込みなど時間軸を示さず、再発防止策も示していない。
④ 芸能事務所が最大で補償可能な金額(保有財産)の開示がない。(規模イメージが分からない)
⑤ 次回の会見日程が、分からない。(次の会見時期と目安が分からない)
⑥ ファンを巻き込む言動は、好ましくない。(ファンクラブで新社名募集、ファン優先の姿勢)
社会的な大事件を契機にして、いざと言う時の為のシュミレーションや、リスク対応の見直しを行っておくことで、不祥事対応に慌てずに対応できるようになると思われます。他社の失敗こそ、学習できる貴重な機会です。



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