虐待禁止条例の改正案

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虐待禁止条例の改正案が取り下げとなった旨、報道がありました。世論が改正案を否定したことから、取り下げとなった模様です。本日は、コンプライアンス経営の観点で、本件について、考えてみます。

報道のとおり、改正案ではひとり親家庭や共稼ぎ世帯が条例を守るのは困難な案となり、更に置き去りの定義が曖昧な点も、世論の批判を浴びる原因となったそうです。同県には1,000件以上の反対意見が寄せられました。

元々は、パチンコ店などの駐車場で車に長時間子供を放置するような虐待事案を防ぐコンセプトでした。その為の手段を明確化しようとしたものの、対象となる親の種別を誤ったことが、コンセプトと異なる条例となる原因です。恐らく、両親のいずれかが常に自宅にいる前提で策定したと思われます。

企業内でも同じことが時々起こりますが、コンセプトをルール化したり制度化する際、コンセプトを実行する為に、事業環境や競合企業の活動状況など、使い手が置かれた環境を考慮することが必要です。その為には、作り手が使い手の意見を聴く機会を設けることが必要となります。

一般の企業では、本社部署が作り手、事業活動を行う製造や販売の部署が使い手で、部署が置かれた場所や役割も異なります。そこで、使い手の部署の中に使い手が置かれている環境を一定程度知っている、または直接確認できる役割を持つスペシャリストがいて、作り手に対して、意見具申ができる環境を作っておくことで、今回発生したような事象は、発生しにくくなります。

製造や販売の部署に、本社部署へ意見具申できるだけの役割を持った職種を作ることが、ポイントになります。色々な手法があるとは思いますが、最も簡単なのは、製造や販売の部署に所属する人の中に、本社企画部署の役割を兼務させることです。この役割を持つ人は、「けん制」する役割を持ち、本社部署の暴走、現場部署の暴走の両方に対し、役割を発揮すると、より強い組織になると考えられます。

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