説明責任を果たす

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大学スポーツ部学生寮における大麻事件で、二人目の学生が逮捕されたと報道がありました。同大学は、会見による説明が必要となりました。本日は、説明責任を果たすことについて、考えてみます。

同大学は、1人目の学生が逮捕された際、会見して説明を行いました。今回は、同室の学生が逮捕された訳ですから、社会の目は、学生個人の事件ではないとみなしているはずです。そこで、1度目の会見と異なる事件である旨について、説明責任を果たす必要があります。

個人から組織の事件に変わる訳ですから、必然的に組織の管理態勢について、実態を説明する必要が生じ、説明できる人物から直接伝えることに価値があります。加えて、組織にはびこる事件としては、調査は途上ですから、全容の解明に全力を挙げること、他の学生に対して、真摯に警察の捜査に協力し、関与している学生は、自首するように指示することです。そのうえで、全容解明が出来た時点で、発生原因を分析して、再発防止策を検討実施する旨を説明することが、求められています。

全容が解明していないので、発生原因は想像の域を出ませんから、会見で尋ねられた場合には、今のところ考え得る発生原因として述べるにとどめ、全容解明後に分析を行うことを宣言しておけば、足ります。全容解明の想定時期は、警察の捜査完了後としておき、その後、再び会見を行い、全容を報告して、発生原因と再発防止策も説明すると回答すると良いと思われます。上記発言により、次回会見を確約すると共に、事件を解決して再発防止する本気度が伝わると思います。

現時点でやってはいけないこととしては、全容解明する前に、学内の責任者を退任させることや、当該スポーツ部の廃部決定、学生に対する処分などです。理由は、社会の視点では、責任者を隠した、説明する気がない、事態の収拾を速めていると思われるからです。これは、他の企業不祥事にも共通することです。経営トップとしては、早期鎮火を図りたい本音はありますが、社会の常識に照らして考えるべきだと思います。間違っても、自社の権益や収益、効率を優先することがないように、気を付けたいものです。

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