社会批判を受ける要件

a group of administration inside of conference room

最近、社会から批判や非難を受ける事象が、特に多くなったと感じます。社会からの批判や非難は、事象が初めて報じられた直後と、当該企業側が事情説明を行った直後に起こります。本日は、社会から批判を受ける要件について、考えてみます。

初めて報じられた直後に発信される批判や非難は、起こった事象に対する社会の反応であり、報道イメージです。事業活動、役職員の言動、発信情報、コンプライアンス、ハラスメントなどにおいて「社会から見ると何かおかしい」と言う合図です。言い換えれば、自社の常識が社会の非常識だと通知されたことになります。初動で必要なのは、今後の対応姿勢と大まかな対応計画です。

それゆえ、正面から誠実に対応すると共に、非難を受けたことに対する謝罪、事実関係の解明、発生原因の分析、分析結果を基にした再発防止策、事業活動や組織風土などの見直しなどを行い、社会からの信頼回復を行うことが必要と認識すべきです。

当該企業側が説明した直後に発信される批判や非難は、二次災害であり、レピュテーションリスクを伴います。社会が批判や非難するのは、事象が発生したからではなく、対応ができない不信感に変わったからです。これを繰り返してしまうと、誤りでは済まなくなり、信頼は失墜し、場合によっては致命傷に成りかねません。

この違いを正しく理解しないと、経営トップは、対応を誤ります。違いを正しく理解する為には、経営トップが、平時から何か異常事象が生じたと仮定して、何をどう考え進めるか、実際に考えて結果を振り返り、経験を積んでおくことに尽きます。現場の切った張ったは経験豊富と過信している方がいますが、それとは質が異なります。

最も有効な手法としては、社会で起こった数々の事象や不祥事について、経営メンバーと不祥事対応部署の間で、事象や不祥事の受け止め方、自社で起こったらどうするかなどにつき意見交換して、記録に残しておくと良いと思います。必要に応じて、不祥事マニュアルへ例示追加する、全社員へ開示することも、効果が高いです。

最も避けなければならないのは、発生した事象に対し「何もなかった」「何も変える必要がない」「報道は虚偽または不適切だ」と結論付けることです。この結論は、社会との間に亀裂を生み、信頼回復への道のりを遠くします。

本日の記載については、色々とご意見があるとは存じます。しかし、経営者と不祥事担当部署は、連日報道される不祥事や不適切な事象について、改めて考えてみて下さい。不祥事や不適切な事象と報じられた企業や組織の中には、上記の対応を行わず、最も避けなければならないことを結論としている場合が多いです。気を付けるだけでは足りないので、他社のミスを自社の教育に繋げましょう。

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