コンプライアンス研修の必要性

colleagues shaking each other s hands

昨今は、コンプライアンス研修(以下、研修)は、あらゆる事業者や組織に必要と言われています。発生している事象や不祥事を見る限り、企業役職員、公務員、議員や秘書などにも必要です。本日は、研修の必要性について、ご説明します。

なぜ研修が必要なのでしょうか。それは、社会のルールは年々変わり、社会が求める規範(=行動や判断を導く基準や標準)も年々変わるからです。例えば、女性の活躍推進や、多様性を許容する社会が進めば、差別に関する法令や、社会規範に変化が生じることは、容易に推測できると思われます。

それゆえ、研修を行う目的は、社会生活を取り巻く法令や社会規範を習得し、直近に発生した不適切な事象や不祥事を参考にして、社会規範が求めるレベルを理解すると共に、社会と共存するにふさわしい姿を目指すことです。

年齢を重ねるほど、長期間に亘り法令や社会規範に触れています。人は、自分が一番輝いた時の記憶が強いので、その時点の法令や社会規範を現代でも使い続ける傾向があります。この程度は許された、問題にならなかったと言う発言をする人は、法令や社会規範が変わったことを認識している証左です。

新しく導入される法令や社会規範もあります。正しく理解せずにアバウトに覚えていると、痛い目に遭います。ハラスメント加害者の多くは、このパターンです。特に異性との関係では、ハラスメント判断基準が加わったことで、大きく変わりました。

弊社が行う研修では、自分や自社が常識としていること、この程度は構わないとしていること、自社の商慣習の中には、法令違反の疑いがあるモノ、社会規範で許容されない事象について、他社の事例を挙げて、考えてもらう機会を作っています。

部下の異性と二人きりで飲食する、ネット上で選挙応援を求める、大麻片を譲り受ける、価格競争中に他社と情報共有する、営業上知り得た情報を知人に話す、個人情報満載のパソコンを車中に置いたまま離れる、情報遮断が適切な状態か定期的に確認する仕組みがない、弱い立場の人に対して強い口調で叱責する、産休予定者に退職の話をする、認可を得た品質に満たない商品を販売するなどです。

個々人には、これまでに培った人生や考え方の基準があります。その基準を変えるには、同僚や周囲の人と意見交換しながら、自分の頭を整理して、社会規範の基準に合わせていくことが、研修成果になります。

弊社の研修では、社会規範に反する行為や発言を行うと、社会からの制裁を受けることにつき、具体的にどんな制裁を受けるのか、事例でご説明します。一度失墜した信頼を回復するには、改善取組みと長い年月が必要になることもご理解いただきます。

過去にコンプライアンスやハラスメントの研修を受講したことがない方には、基礎知識の習得をお薦めします。基礎知識はあるが、定期的に研修を受講する機会がない方には、定期的に受講することをお薦めします。法令や社会規範、社会の求めるレベルは、考えている以上に変化があるからです。

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