法令違反でなければ構わない

lawyers posing for a photo

グミを食べた人が体調不良を起こしている旨の報道がありました。法令違反に該当する成分は使っていない。規制されても他の類似成分を使って製造販売するそうです。本日は、法令違反でなければ構わないという考え方について、考えてみます。

法令違反でない成分が含まれている商品を販売することは、成分を規制する法令には問われません。しかし、体調不良が起こる原因となっていれば、民法、製造物責任法、消費者法などの法令に抵触する可能性があります。

加えて、顧客の健康を害すと知りつつ、商品を製造販売すれば、社会規範に反する行為として、社会からの制裁を受けます。コンプライアンス上の制裁です。一般社会から見ると「それは、おかしい」と思うことも、当該法令違反にあたらないという単一視点だけで見てしまうと、誤りに気付かないことがあります。

実は、大企業や老舗企業でも、同じような過ちを起こすことがあります。企業は部署ごとに権限と責任を分担している為、権限者が自らの権限の範囲内だけで判断すると起こり得ます。営業、営業推進、製造、企画、財務で起こる可能性があります。

そうならないように、各セクションの横ぐしを刺す部署が必要です。取締役会、監査、内部統制、コンプライアンスなどの部署です。他の部署から独立した権限と責任を持たせることにより、けん制機能が働きます。横ぐしを刺す部署が、異議を唱えることで、過ちを未然に防ぐ、もしくは早期に撤回できることになります。

仮に、横ぐしを刺す部署が機能しない場合には、経営トップの判断に委ねるしかありません。その為にも、経営トップは、コンプライアンス経営の考え方や、社会規範に反する行為について、理解を深めておかねばならないと思います。横ぐしを刺す部署が機能しているかを定期的に確認することで、企業の健全性が保ちましょう。

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