失言の予防

man in suit giving speech

県知事が、オリンピック招致にあたり自らが違法行為をし、その費用は機密費と発言した旨、報道がありました。公式の場における発言の撤回は容易ではありません。本日は、公式の場における失言の予防について、考えてみます。

経営者は、様々な場所にて公式発言を求められます。会議や会食における挨拶、株主総会や従業員向けの説明、マスコミからの取材、結婚式のスピーチなど、突然にご指名を受けることもあるかも知れません。

発言が波紋を呼び、マスコミ報道や、SNSで発信され、社会からの批判を受けることもあります。その結果、企業価値を毀損する、顧客の信頼を損ねることもあります。これを風評リスク、またはレピュテーションリスクと言います。経営者の発言とは言え、リスクであることには変わりありません。

リスクの対応策は、回避、軽減、移転、保有の4つに分かれます。この場合、主に軽減対策を検討するでしょう。第一には、発言者に対する教育です。経営者に教えるようなカテゴリーではないと敬遠するかも知れません。

そこで、失言する人の特徴、理由、背景などについて、経営陣と一緒に意見交換しながら分析してみてください。人は、他人の事には冷静に分析できます。見栄を張る、虚言癖、大きく見せたい、成果を強調、リップサービス、聴衆への受け、体調不良などのワードが出てきたら、分析しやすくなるはずです。最初は、言い出しにくいので、きっかけになる発言を仕込んでおくことも止む無しです。

次に、そうならない為には、自身でどういう対策を講じたら良いかについて、意見を求めて下さい。ご自身が心がけていること、ルーティン、秘訣などが出てきます。どんな意見も否定しないで、最後まで発言者の意図を確認するようにして下さい。

意見が出尽くしたら、事務局は、提案を用意しておき、切り出してみましょう。例えば、事前に発言が予定されている場合は、読み原稿を作成する。社内でリハーサルを行う。注意喚起のペーパーを持って発言するなどです。

しない、出来ないとご意見が出たら、先ほどの意見交換に基づき、代わりの案について、論議してもらい、案を二つくらいに絞り、結論としましょう。そのうえで、場を代えて、組織決定します。

意見交換の場があることにより、決定した対策について違和感はあっても、運用の中で修正していくことで、足りると思います。色々と対策の検討手法はあるようですが、本日は、そのうちの一つをご紹介しました。

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