生損保商品の保険期間

a woman explaining to her client

損害保険の多くは保険期間が1年間、生命保険の多くは1年超の長期です。令和の時代は、生活環境の変化スピードが速くなりました。本日は、生損保商品の保険期間について、お客様側から考えてみます。

自動車を購入したら、自賠責保険と自動車保険に加入します。行動速度や範囲が広くなり、事故や天災のリスクが増すからです。実家を離れ独立すると、火災保険と地震保険に加入するのは、天災や人災、賠償リスクが生じるからです。社会人になり生命保険に加入するのは、病気やケガによる治療費や収入減リスクが生じるからです。

保険加入には、生活環境の変化に伴うリスクの増減が要因になっています。昨今、人の生活環境の変化は、激しくなっています。入学、就職、実家を離れて独立生計、転職、結婚して家庭生活、離婚、親との同居などです。生活スタイルは多様化し、型にはまらない人生が、当たり前の世の中になりました。

そうした中、生命保険の長期性商品は、果たして時代に則していると言えるでしょうか。加入時だけの情報提供や意向把握で、保険期間中に補償が人生に合わなくなっても、募集人さんからのアプローチに頼った見直しが、顧客本位と言えるでしょうか。年1回募集人さんから連絡があっても、契約内容の変更手続きがしにくい商品では、ないでしょうか。

生命保険は、1年更新型の商品に変えるべきと思います。連絡の取り方ですら、毎年変わります。固定電話からスマホ、メールからLINE、パソコンアドレスから会社アドレス、会社変更に伴うアドレス変更、退職に伴う個人アドレスへの変更などです。多くの保険代理店さんは、お客様の連絡先が頻繁に変わり、連絡が取れなくなることを経験したことがあると思われます。

長期性商品、1年ごとの自動更新契約と言うのは、保険会社や代理店側に優位であり、お客様優位ではありません。プロ代理店は、令和の時代の人生の進め方を理解したうえで、年齢、家族構成、職業、趣味などに応じたリスクを提示して、それに見合った商品を提供しているのに、生保商品の保険期間は、昭和のままです。

人生のリスクは年々変わります。少なくとも1年に一度は、お客様の生活環境やリスクの変化を確認して、加入商品が合致しているかを診断することが、お客様の安心と安全を提供することに繋がります。

改正保険業法で新たに生じた3つの義務の趣旨を踏まえると、売りっ放しや自動更新と言う事業活動を見直して、お客様目線の事業活動に変えていく必要があり、お客様に合わせた態勢を整備していくべきと考えます。
※3つの義務:情報提供義務、意向把握・確認義務、体制整備義務

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