プロスポーツ選手が、ロッカールームで同僚にパワハラを働いていたことが、報道されました。本日は、いまだ止まない「スポハラ(=スポーツマンによるハラスメント」について、考えてみます。
後輩選手に暴力をふるう、ズボンを脱がせて局部に靴下をはかせる、罰金と称してお金を徴収するなど、パワーハラスメントに相当する立ち振る舞いだったそうです。当該チームを含め、各チームは毎年、監督、コーチ、選手、サポート職員に対し、コンプラ研修を実施しています。新人には、入る前にプロとしての在り方研修も実施しています。
それなのに、昔の体育会のような立ち振る舞いが、ロッカールーム内で行われていたことは、大変残念です。研修の効果が全く感じられません。実は、研修の効果がない組織には、共通点があります。
コンプライアンス教育の中には、法令の遵守、競技自体やチーム内のルール遵守、社会規範に反する行為に、カテゴリー分類されます。スポーツチームに所属することは、著名人の範囲に入り、社会の見る目は、一般人に比較してかなり厳しい環境に置かれます。なぜ、法令以外にも色々なルールや制約があるのかについて、具体的に説明して理解したか否かを確認する必要があります。恐らくは、理解度の確認を疎かにしているから、このような事件が時々発生するのだと思われます。
ハラスメントはチーム内ルールであり、社会規範に反する行為に該当します。パワハラ行為を具体的に選手が説明できるか、ハラスメントは被害者の申し出を優先すること、場合によってはチームが加害者を助けられないことなどを詳細に説明して、危険度が高いと言うことが腹落ちするまで、教育を続けなければ、なりません。
有名人には、罠にはめようと狙っている人が集まってきます。これくらいは構わないだろうという考えを捨てさせない限り、そして何事も周囲やチームマネージャーに相談してから行動に移すことなど、一般人より制約が多いと言うことを自身が理解しない限り、このような事件は続きます。風土や文化に加えて、教育の高度化を考える時代になってきたと、感じる次第です。
ご本人は、まさかこんな形が自分がアウトになるとは、思っていなかったはずです。それこそが、今回の不祥事の真因だと思います。



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