存続に値しない理由

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複数のスポーツ部員による大麻事件にて、大学理事長が再び会見を開きました。この事件には、実に多くの学びがあります。本日は、当該スポーツ部が存続に値しない理由について、ご説明します。当該大学やスポーツ部に対する批判の趣旨ではありませんので、ご理解下さい。

通報があり、大学側が寮内の検査により証拠物を見つけた時、監督・コーチは、全部員に対し、期限を定めて自首を促すべきでした。通報と証拠物があれば、事実と認めざるを得ないことから、学生をフリーズさせて、考えさせる必要がありました。

証拠物が見つかった時、「監督が副学長に見つかって良かった趣旨の発言をし、その発言に対して、もみ消してくれると安心した」と、法廷にて証言したそうです。

逮捕者が出て以降、十分な期間があったにも関わらず、監督やコーチは、他の選手に対し、今からでも自首するように勧告せず、4名の逮捕に至るまで、一人も自首に至りませんでした。法廷での証言では、10名程度は使用したそうです。

通報、証拠物、証言があるのに、自首できないのは、スポーツマンシップが全くないと推察できます。ゲーム中であれば、ペナルティの笛が鳴った後も、自らのラフプレイを認めず、退場処分にも従わないことに相当する振る舞いです。

監督とコーチは、通報証言と物的証拠が揃った後ですら、部員に自首を促さず、適正な方向へリードできない現状について、コンプライアンス意識が全くないと推察できます。スポーツを通じて育成・監督する立場にある者が、全容解明調査に協力しないのは、コンプライアンス意識の欠如と言われても仕方がありません。

チームとしても、自浄作用が働きませんでした。たとえ10名の部員が事件に関与しても、残りの100名超は無罪ですから、同じチームメンバーに自首を促し、早期に全容解明して、部の名誉を回復する行動が、ありませんでした。大学側に活動停止の解除を働きかける、廃部反対の署名を集める行為は、自分の都合優先と受け取られ兼ねません。

上記のとおり、部員のスポーツマンシップの欠如、指導者のコンプライアンス意識の欠如、チームとしての自浄作用の欠如が、存続に値しない理由です。非常事態時に、チームが同じ適正な方向を向かないことも、課題が残ります。

経営者やスポーツ部管理者は、この事件から多くのことを学びました。自首、自浄作用、全容解明は、発生した事象に対する社会の要請です。コンプライアンスの徹底とは、非常事態であっても社会の要請に応えることです。管理者は、起こったことは、仕方がないと覚悟して、全容解明、再発防止、信頼回復に努めるべきだと思います。

繰り返しますが、本日の内容は、決して当該大学やスポーツ部に対するものでは、ありません。起こった事件に対する現場対応と言う観点で、ご説明しています。誤解のないように、お願い申し上げます。

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