レピュテーションリスクは、社会からの評判リスクとも言われ、物事が起こった際、報道やSNSで発信された情報を基に、過剰な評価を受けたことにより、発展するリスクです。本日は、レピュテーションリスクについて、考えてみます。
事業活動において、疑わしい事象について問い合わせを受ける、報道されることがあります。その時点では、先ず行うのは、事実確認の方法を定めること。社内監査部や社長特命で行う調査と、第三者に調査依頼を行う方法があります。
調査方法は、被害者、被害額、発生期間、社会的影響度を基準に判断します。この判断について、社外の意見を聴いても構いません。社内には、できるだけ小さく収めようと意見する人が多いことから、判断を誤る可能性があります。
調査に多くの時間を要する場合、取り急ぎ、ホームページか報道に対して、その旨を説明しておく必要があります。調査中に不適切な事象が発見された際は、拡がりの有無により都度公表か、まとめ公表を選択します。
社会は、自ら全容解明ができるか、事実を正しく認めることができるか、自浄作用があるか、被害者がいれば救済ができるか、原状復帰能力があるか、再び起こさないような仕組みができるかを評価しています。
コンプライアンスの意味は、社会からの要請に応えることです。事象が発生した場合、何を社会から要請されているのかを考えるのが、経営トップの職務です。法的解釈や倫理の問題で判断が難しい場合は、弁護士などに相談すると良いと思います。
一方、社内の監査部などが調査する場合、疑われている事象に対する理解と、社会が要請している全容解明レベルを予め共有しておき、調査を開始すると良いです。事実の確認と全容解明は異なります。全容解明とは、調査結果に対する説明責任の義務を果たすことを指しています。
初動の結果が社会の要請に至らない場合は、レピュテーションリスクに発展する可能性があり、当該リスクに対する感応度を高めておく必要があります。昨今報道されている各種の不祥事では、レピュテーションリスクを軽んじた初動が多いと感じます。気を付けましょう。



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