芸能事務所における従業員と所属タレント、プロ野球球団における球団職員と選手のように、直接雇用の従業員の他に、個々人と契約している構成員が存在する組織があります。本日は、二つの種類の所属員に対するマネジメント手法について、考えてみます。
間違いを避ける為に、従業員と構成員と呼称します。この企業組織には、経営者、管理者、従業員、構成員の4つの階層があります。経営者と管理者は、従業員と構成員に対して、管理監督ならびに育成を行います。ところが、現実には管理者(マネージャー)は、タレントや選手のようなプレイヤーのスケジュール管理や成績管理に対してのみ、マネジメントしているのが実態ではないでしょうか。業務に関する育成や振る舞いなどに関する指導が、含まれていない傾向にあります。
プレイヤーとしての人格形成や、社会常識に対する教育についても、マネジメント業務の中に体系的に盛り込まないことには、従業員とは異なるだけに、適正な育成は難しいのではないかと感じる次第です。
正社員、有期契約社員、嘱託社員、スタッフ、アルバイトという職種もありますが、これらは直接雇用、または間接雇用であっても管理責任が明確になっていますので、問題は生じません。しかし、就業規程とは異なる契約を締結している構成員は、正確には管理者の所管では、ありません。
従業員と構成員に対するマネジメント手法を異なるものを使い分けるのか、実務上は同じ扱いにして同じマネジメント手法を行うのか、整理しておくことが必要と思われます。従業員に対して、構成員の指導を担わせる、構成員の管理業務タスクを盛り込むなどしてしまうと、経営者や管理職から益々遠い存在になり、統制が効かなくなります。
そういうマネジメントは、他の業界にもあり、給与制の従業員とコミッションセールスなども典型的な事例です。自社にも同じように二つの種類があれば、経営者と管理者のマネジメント手法は、どのように定めているのか、確認しておくことをお薦めします。制御できない不祥事を起こしてからでは、遅いからです。実際に起きている業界もありますね。



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