年度末が近づいて来ました。経営者は、どんなことに気を付ければ良いでしょうか。本日は、年度末に向けて、考えてみます。
年度末は、文字通り1年間の集大成の時期です。年度初に立てた計画や目標に対して、あと少しのところまでたどり着いている項目もあれば、目標に遠く及ばない項目もあり、もしくは手つかずのまま放置してしまった項目もあるかも知れません。
経営者やコンプライアンス責任者の立場では、計画や目標に対して、管理者や従業員がどのように考えているか、思い描いてみることが肝要です。その際、ご自分が管理者や従業員の時にどうだったかではなく、在籍している皆様の顔を思い出して、考えてみることがポイントです。
経営者や上司の評価を得ようと、最後のひと踏ん張りしている姿を思い浮かべることでしょう。しかし、そういう時ほどアクシデントに気を付けねばならないことに気付きます。身体に無理して働き病気になったり、急いで事故に遭ったり、足りない売上を次年度分から前倒ししたり、売掛金の未回収を防ぐ為に、取引先へ強く催促する姿なども、思い浮かぶかも知れません。
思い浮かんだ事象が、管理者や従業員に起こり得る業務上のリスクです。年度末を迎えるにあたり、そういう事象に対して、何を気を付ければ良いかを各自に考えさせるようなメッセージを発信することで、未然防止に繋がります。手つかずの項目は諦めて、優先順位を変更することも可能かも知れません。
また、目標に拘ることも大切ですが、100%を達成、98%を未達成のように、結果だけで評価をすると、数値だけが目標になりがちです。98%達成なら、通常は平均以上の働きでしょう。その人や組織に対し、未達成=良くないと評価すると、良質の組織のモチベーションを下げることに繋がりかねません。平均以上で未達成の場合や、ほぼ達成の場合には、見合った評価になるように、次年度以降、見直しをすることで、足ります。
結果フィードバックについても、同じです。「良くやった、ご苦労様、あと少しだったな」よりも「概ね達成、業界シェアも上昇、お疲れ様」の方が、同じ結果でも受ける側のモチベーションは異なります。
年度末を迎えるにあたり、業務上のリスクに思いを巡らせることと、結果のフィードバックシナリオを考えることは、次年度の方針やメッセージを考えることと同じくらい大切だと考えて下さい。



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