品質不正の連鎖

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世界一の自動車メーカーが、危機的な状況に陥っています。17社のグループ会社のうち、少なくとも4社において品質不正事件が発生しました。16社の子会社のうち、4社による品質不正は、完全な異常事態です。本日は、グループ会社による品質不正の連鎖について、考えてみます。

発生要因は、グループ会社組織の在り方ではないでしょうか。親会社と子会社という形式を取ると、親が立派であればあるほど、親の役員が子へ出向・転籍すればするほど、親から子への圧力が強まります。その結果、子会社の中に、親会社へモノを言える風土がなくなります。

その功罪を意識したうえで、親会社が子会社と接する、フラットな組織づくりを行うなど、各社の独自性や社風を重んじたうえで、共通する目指す姿を時代に合わせて変革していく経営が、目指す姿だったはずです。

親会社が定めたビジョンや方式について、子会社にも適用させました。言い換えれば、押し付けました。人が押し付けて、モノを言えない関係を構築してしまいました。その結果、グループ会社になって以降、不正が当たり前な風土が醸成されてしまったのでは、ないでしょうか。

嬉しいことに、4年連続世界一の販売台数を達成しました。引き換えに失ったのは、安心、安全、信頼に加えて、親会社の求心力です。あまりにも大きな代償を支払うことになりました。グループ会社をもつ企業は、この失態を自社に当てはめて、同様の発生要因がないかを確認することで、未然防止に努めたいものです。

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