製品で起きた異常値

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製薬会社が販売したサプリメントを摂取した人が、腎疾患などの健康被害の報告が相次いでいる旨の報道がありました。因果関係は不明ながら、接種後に死亡した人も出ました。本日は、製品で起きた異常値について、考えてみます。

製品を摂取して健康被害が生じたと連絡を受けた後、当該製品を回収して成分に異常がないかを確認しました。その結果、意図しない成分が含まれていることが判明し、公表しました。

同じ製造番号の全商品を自主回収を始めると宣言し、使用中止のお願いを通知しました。合わせて、健康相談センターを立ち上げ、新規健康被害者の把握に努め、定期的に公表しています。1月に初めての被害連絡を受け、公表まで2か月以上要したのは、対応遅延と言われています。

公表内容を拝見すると、製造側が意図しない成分が入っていると、腎疾患などの健康被害が起きる可能性が高いか否かについては、説明していません。摂取した人が死亡した事実がある以上、今後は速やかに公表する必要があるでしょう。最悪の事態を想定して対応することが必要です。

また、今回の事象は、他社へOEM提供先にも、同じタイミングで連絡する必要がありました。原材料や半製品として販売した他社への連絡が遅れた模様です。

監督官庁の大臣は、当該企業から報告がないと言いましたが、一般的に企業がニュースリリースを行う場合は、事前に監督官庁へ原稿とQ&Aを送り、監督官庁へ顧客からの問合せに対応できるようにします。それがないのであれば当該企業のミスです。

この事象は、まだ止血には至っていません。スピーディに対象商品を自主回収し、健康被害を与える製品がなくなることが、初期対応のゴールです。死亡した方が出た以上、更なる広がりを見せると思われます。

企業経営者の皆様には、他社の製品不良の事件を通じて、自社の非常事態対応マニュアルの見直しを行うことをお薦めします。製品異常の報告を受けた際、自社販売分に加えて、原材料や半製品を販売した取引先企業への速やかな報告や、監督官庁への速報ならびにニュースリリース前の事前連絡などの記載の有無を確認しましょう。

異常事象の発生中は、早く終了させたいとの意識が働きます。その意識を抑えつつ真摯に対応し続けることが、企業の存続が可能な条件と思われます。そのことを社内にアナウンスしていくことが、今現在の経営トップの役割だと思います。

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