入社式の訓示にて「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、ものをつくったりとかと違い、皆さまは頭脳、知性が高い人たちです」との発言が職業差別だと、多くの苦情が入りました。本日は、不適切な発言を避ける方法について、考えてみます。
この種の失言の多くは、ゴーストライターが書いた原稿を読み上げずに、「自分の言葉で自分の意見を言った」つもりが、不適切な言い回しが含まれています。これを防ぐ方法があります。
最も単純な解決方法は、原稿を読み上げることです。それでは自分自身の言葉にならない、趣旨が伝わらないと言うご意見もあります。そうであれば、自分で原稿を書いて、その原稿を手元に置いて読み上げることで足ります。
しかし、自分が作成した原稿を誰かにに確認してもらわないと同じミスが起こります。なぜなら、自分の感性や常識、資質や教養に基づいた言葉だからです。世間の常識を超えた思想、稀にみる高い資質、遥かに高い教養を持っている人の使う言葉は、一般の人には伝わらないことが多く、特に危険なのです。
たとえ自分が作成した原稿でも、暗記するのは難しいし、人前で読み上げるのは、恥ずかしいというご意見もあります。しかし、自分の記憶にも残らない話を人前でする方が、賢い人にとっては、もっと恥ずかしいはずです。
公の場で発信する場合は、スピーチ、Web、メールなどの媒体を問わず、何らかの形で誰かに見てもらって、世間とズレた言い回し、差別やハラスメントの観点で適切でない言葉を使っていないかを確認してもらうことが、何より大切です。情報発信で大切なことは、聞く側にとって適切な言葉を使い、聞く側に趣旨が伝わることです。



コメント