損保の専業代理店さんは、個人代理店さんの集まりに、研修生OBOGが加入して、組織を構成するケースが多いようです。本日は、損保型営業をしている代理店さんについて、考えてみます。
損保型代理店の募集方式には、店舗型、訪問型、電話型、郵送型、メール型があります。更新契約と新規契約の一部は非対面手続きが可能ですが、お客様の安全・安心、お客様への提案実態を考えると、いささか不安を覚えます。
平均単価が低い更新契約が、手数料の8割以上を占めることから、非対面手続きを増やす要因です。都市部では電話型が7割、団体扱契約では郵送型とメール型が9割です。団体契約は、契約者団体に募集を委ねる方式で、一度に契約すると自動更新できる効率的な契約です。
しかし、非対面の手続きは、保険業法が定めた情報提供、意向把握確認、体制整備の趣旨を踏まえて、相手が見えない環境下において、義務を果たしていると説明できるかという懸念があります。私は、団体、団体扱、一般契約に加入していますが、非対面の手続きは、対面手続きに比較して品質や安心感が低いと感じます。
損保型営業の弱点の一つ目は、非対面手続きが重なり、お客様の心が保険自体や保険会社から離れていくことです。非対面手続きが続くほど、お客様は募集人に任せきりになり、補償やリスクに向き合う機会を逸してしまうという課題があります。
二つ目は、品質、新商品、モチベーションが低い募集人がいても、挙績を失うことを恐れて排除できないことです。保険会社や代理店主は、募集人にお客様対応を任せきりにしているので、排除すると保有契約がなくなると考えていることが課題です。
三つ目は、勤務型代理店制度です。勤務型代理店は、統括代理店の従業員ではなく、登録上は独立個人代理店です。統括代理店が、管理・教育することが難しい制度なのに、専用のマネジメント手法が確立していない点に課題があります。
四つ目は、保険会社が、挙績の大きな代理店に代理店手数料のポイントを高く設定する点です。挙績が大きな代理店には、必然的に非対面契約が多くなり、募集品質が低くなるにも関わらず、代理店手数料が増えるという矛盾が生じることが課題です。
五つ目は、代理店表彰制度にて、募集人数による区分がない点です。募集人数が3名の代理店と1,000名の代理店が、ほぼ同じ表彰基準であることが課題です。募集人の平均値を表彰基準とするなど、規模より品質にシフトする制度が望まれます。
専業代理店の経営者は、自社の経営理念に立ち返り、上記のような課題を自社に当てはめて認識し、課題を解決する取組みや仕組みを作って実行することで、発展性が拡がると思われます。
保険は代理店に任せるという代理店の常識は、現代社会の非常識です。現代社会には、数多くの新しいリスクが存在します。お客様が保険に興味を持つことこそ、保険の発展、専業代理店の発展に寄与すると思いますが、いかがでしょうか。



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