企業や保険代理店のコンプライアンス部署の方とお話する機会があります。時には、本当にその方向性で良いのかなと感じることがあります。本日は、コンプラ部署が陥りやすい事象について、考えてみます。
通常のコンプラ部署は、社内における不適切な事象、不祥事、お客様からのご不満対応、ハラスメント、情報漏えいなどのカテゴリーについて、事案の集約、発生時対応方針の決定、社内処分の起案、監督官庁などへの報告対応などを行っています。
コンプラ部署は、現場に対して再発防止策の策定と実施を指示し、本社部門で決定した未然防止取組みや改善の取組みを指示し、結果を集約して経営に報告しています。その過程において、陥りやすい誤りがあることに気づかないことがあるようです。
コンプラ部署が陥りやすい事象は、以下のとおりです。
1.当該担当部署に問題が多く、マネージャーが我が事と考えていない。
2.従業員向けの研修や指導が、再発防止策として有効。
3.ルール不知で発生することが多く、ルールの徹底が効果的。
4.本社が指示した趣旨通りに、現場が実施していない。
上記は誤りではないのですが、以下の観点で見直してみては、いかがでしょうか。
1.マネージャーが、我が事と認識しているタスクを調べてみる。
2.受講者自らの言葉で発言する機会のある研修方式に変更する。
3.自社のルールが、社会の非常識でないかと考える機会を持つ。
4.指示の背景と経緯を理解できるまで、指示を実施させない。
コンプラ部署が考え方を変えるきっかけとして、年度初などには、こんなことを論議、意見交換してみると良いのではないかと思います。
〇 自社の経営理念の実現に向かって有効な施策を指示しているか
〇 社会の信頼を失う行為や事象をなくすことが目的化していないか
〇 自社の常識が社会の非常識になっていることに気づいているか
〇 事業方針とコンプラ方針が矛盾したり、別物化していないか



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