現在、金融庁が、損害保険業の構造的な課題と競争の在り方に関する有識者会議を実施しています。有識者会議の議事録を基にして、社外から見た保険会社と代理店に対する見え方について、考えてみます。
本有識者会議は、昨年発生した中古車販売店による保険金不正請求事案と、保険料調整行為事案が背景になり、始まりました。保険金不正請求事案では、同一企業が自動車修理業と保険代理店業を営むうえで、各事業ごとの倫理観や相互牽制がなく、強過ぎるトップガバナンスが自動車修理業に働き、保険代理店業を歪めた事案でした。
保険料調整行為事案は、契約者と保険会社が必要以上に接していて、媒介になるべき保険代理店業がないがしろになると言う歪んだ関係が、一線を越えた情報共有に繋がりました。
金融庁は、保険会社と代理店との関係には構造的な課題があり、その関係が歪むと保険会社が代理店を教育・管理・指導できないと考えています。他の課題も含めて洗い出し、第三者の意見を参考にしながら、監督手法や監督指針の見直しに繋げていきたいと考えているようです。
想像も含みますが、以下のような観点で、課題の有無を確認している模様です。
1.兼業事業が、お客様の利益を損ね得る
2.協力支援の名目で、保険会社の競争を促す
3.自社における教育・管理・指導が十分でない
4.募集品質の向上が図られず、規模に品質が伴わない
5.便宜供与等の要素が、共同保険のシェア等に影響を及ぼす
6.社会通念上、容認し難い出向者や社員代行
7.比較推奨販売のルールを都合よく解釈した運用
損害保険業は、業務品質という言葉と裏腹に、多くの更新契約は、非対面、短時間で行われています。たとえ、お客様が契約に時間をかけたくないと言っても、商品、サービス、情報提供、リスクとの接し方などお客様を引き付ける要素で、ニーズを喚起して提案することを省略してはならないと思います。



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