生保系代理店の弱み

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損保系代理店に続き、本日は、生保系代理店の弱みについて、考えてみます。生命保険の特徴は、保険期間が長期であり保険料更新がある商品でも10年単位、貯蓄性商品や法人向けの弱節税商品があることです。したがって、新規契約を延々と追いかける営業スタイルになりがちです。

それゆえ、生保系代理店の弱みは、新規契約を開拓力と思われます。端的に申し上げれば、リーズ業者と保険会社から顧客の紹介を受けて、従業員に販売することで、事業利益を挙げる経営モデルと、代理店手数料を高める為に大量採用・大量解雇に頼る実態が弱みになると思われます。

規模の大きな生保系代理店は、概ね乗合代理店です。乗合代理店は、比較推奨販売ルールに基づく募集を行う義務が課されています。しかし、リーズ業者や保険会社からの紹介を受けた顧客には、同ルールが遵守できない実態があり得ます。

加えて、生命保険の代理店手数料は、新規契約とボーナス手数料で構成しています。募集人規模が大きければ新規契約保険料、ボーナス手数料が大きくなる仕組みになっています。それゆえ、人材育成より、安易な大量採用・大量解雇になりがちです。

上記のとおり、生保系代理店には幾つかの弱みがあります。その中で、最も早急に改善が求められるのは、比較推奨販売ルールを歪める社内の仕組みの改善です。保険業法に抵触する恐れがあるからです。

また、保険会社側の課題ですが、保険会社のホームページやお問合せにより、加入しそうな顧客を代理店に紹介していますが、特定の代理店へ集中して紹介している実態があり、保険会社と代理店の関係を歪める要因に繋がると共に、オーバーコミッションに抵触する恐れがあります。

昨年、保険金不正請求事件を起こした中古車販売代理店に対し、保険会社が事故車両の入庫誘導を集中したことが、保険会社と代理店の関係を歪めた要因になりました。特定の代理店へ集中して顧客紹介を行う活動は、同じ趣きのある事象です。

生保系代理店の経営モデルは、比較的新しいことから、創意工夫の連続です。それゆえ、コンプライアンス上の課題がないかと言う観点や、自社の常識が社会の非常識になっていないかと言う観点で、見直すことが必要な時期かも知れません。

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