完成直前に解体

fuji mountain behind town buildings

富士山の景観を通りの名前にしている地区に建設中の分譲マンションについて、完成直前に解体することを公表した旨、報道がありました。本日は、本件について、考えてみます。

マンションの建設にあたり、市町村より許可申請を得て、地域住民の意見や要望を聞きつつ、建設計画に修正を加えて最終的に建設していました。これは、法令上は正しい手続きであり、非難されることは、何一つありません。

しかし、マンション建設会社は、当該マンションが建設されることで、通りの背景に見える富士山の景観に、著しく影響があると判断し、最終的には通りの眺望を優先し、解体を決定しました。

要すれば、法令上の問題はないものの、一般社会から見たら、その事業活動はどのように映るかということを社内の常識として判断したものです。

振り返れば、先日、道路を挟んだコンビニの向かい側から見える富士山の眺望が、写真映えするということで、多くのインバウンド客が集まり、道路を通行するクルマや周辺住民へ悪影響が生じた旨、報道がありました。このケースは、富士山の眺望を犠牲にして、道路通行や周辺住民の生活を守りました。

総じて考えると、法令<社会常識<国民の生活の安定という図式になるものと思われます。つくづく、日本国民の民度は高いと感心する報道でした。企業経営は、この図式を取締役会で共有して、事業活動を進めるべきだと感じました。

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