金融庁が、2024年度保険モニタリングレポートを公表しました。顧客本位の業務運営について、課題認識を持っていることが分かります。本日は、次年度以降に導入する予定の業務品質基準について、考えてみます。
顧客本位の業務運営は、7つの項目で構成されています。方針の策定・公表等、顧客の最善の利益の追求、利益相反の適切な管理、手数料等の明確化、重要な情報の分かりやすい提供、顧客にふさわしいサービスの提供、従業員に対する適切な動機づけの枠組み等の7つです。
保険代理店さんとしては、項目ごとの目指す姿、具体的には外形と実質の両面における業務運営の取組みの有無について、検証を行う必要があります。まずは7項目に対し、自社の取組みに網羅性があるかという観点で、自社を振り返ってみると良いです。
そのうえで、各項目を構成する業務プロセスやお客様対応について、法令違反レベル、顧客からのご不満を解決できるレベル、顧客からの称賛を受けるレベルのうち、自社がどのレベルにあるかを監査してみると良いでしょう。
昨年度までは、どちらかと言うと方針の策定・公表や、取組みの趣旨説明など、外形的な部分を評価する兆しがありました。しかし、保険モニタリングレポートを読む限り、実質的な部分を評価する方向へ転換するようです。
次に、顧客本位の業務運営の7原則の趣旨をブレークダウンして、自社の業務プロセスやお客様対応プロセスを見直すことをお薦めします。当たり前に行っている商慣習が、外形的には正しいが、正しく行われていないという観点で、問い直すことが、ポイントです。
例えば、意向把握確認、電話による募集、郵送募集、重要事項説明の実施度は、いかがでしょうか。外形的には、郵送した書類をお客様が読んで理解して、申込書に読んで理解した旨をチェックしています。では、実質的には、どうでしょう。
また、お客様を取り巻くリスク環境の変化、補償内容の見直し提案、新商品の案内、保険や金融を取り巻くトピックス提供という取組みは、全てのお客様に定期的に行われているでしょうか。
こういうお話すると、お客様には時間がない、忙しい、断られるなど、現状を知らないと言い返されることがあります。その場合は、忙しいと断られた、今回は不要とお客様が言った記録はありますかとお尋ねしています。外形ではなく実質と言う趣旨は、そういうことです。
本当にお客様が忙しくて、話を聞けない、提案を聞きたくないなら、保険のプロとしての魅力がないということだと思います。なぜなら、お客様のアンケート結果では、提案、見直し、リスク変化の説明、トピックスを代理店に求めているからです。
このレベルまで掘り下げて、自社が行う顧客本位の業務運営について、考えたことがありますか。保険会社のご担当者は忙しいので、そこまでは指導・支援はしません。
実際に掘り下げて考えると、業務品質の目指す姿と現状とのギャップを感じるはずです。このギャップが、代理店経営上のリスクです。ギャップ改善取組みの方向性は、顧客本位の業務運営の実現であり、具体的に表されるのが、業務品質基準です。



コメント