飲酒運転

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地方公務員が、飲酒した後に自動車を運転し、2件の物損事故を起こしました。先日、最高裁判所は、飲酒運転を理由とする退職金の全額不支給処分を有効と判断しました。本日は、飲酒運転について、考えてみます。

運転者が、27年余りにわたって懲戒処分歴なく勤続していたことを考慮しても、処分は裁量権の逸脱・濫用とはいえないと判断しました。勤務実態が良好でも、飲酒運転事故は、退職金の全額不支給処分は不当ではないということです。

この判決は、民間企業においても、指針となる判決です。なぜなら、企業が相談する弁護士は、直近の最高裁判所の判決を支持するからです。

昨年から、従業員が一定数以上の企業には、運転前にアルコールチェックを義務付けました。社会の目は一層厳しくなり、就業時間中か否かを問わず、飲酒運転した役員・従業員が所属する企業は、社会からの制裁を受けています。

企業側としても、もはや社有車運転前に行うアルコールチェックだけでなく、役員・従業員に対する教育にも、力を入れるようになっています。例えば、就業規程に飲酒運転を明記して、事故の有無を問わず、飲酒運転=懲戒免職=退職金不支給である旨をコンプライアンス研修に盛り込むなど、工夫を凝らしています。

飲酒運転の形態は、飲酒直後の運転には限りません。短時間の睡眠後に運転しても、検知器にて一定量以上のアルコールが残っていると同罪です。奈良漬けを食べ過ぎた場合でも、アルコール分が運転技術に影響する可能性があることを考慮して、大量に食べた後は運転を控えることが適切だと思われます。

こうした具体的な事例を通じて、飲酒後の運転を想定させることで、禁止行為のガイドラインを理解させることも、教育手法の一つです。そういう意味においても、今回の最高裁判所の判決内容をコンプライアンス研修に活用しましょう。

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