生命保険の選び方

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生命保険は、国内・海外の保険会社が数十社あり、様々な商品を提供しています。一般個人が、その中から自分の人生に合った商品を選び出すことは、容易ではありません。本日は、生命保険会社の知識をもつ個人として、選び方について、考えてみます。

生命保険を大きくカテゴリーに分けると、被保険者が補償を受ける商品、被保険者の遺族が補償を受ける商品に分かれます。さらに、国内金利や為替相場の変動により受け取る保険金が変動する商品、一定期間の間に保険事故がない場合に保険料の一部または全額が戻る商品に分かれます。

1.被保険者が補償を受ける商品
 個人には、病気やケガに伴い、治療して完治するまでに必要な費用を確保する保険が必要です。入通院に対し支払う医療保険、就業不能の際の収入を補償する保険、がんの時に高額医療補償がある保険などをお薦めします。いずれも、必要額が年々変化するので、お客様自身で準備しておくには、難しい補償だからです。

2.被保険者の遺族が補償を受ける商品
 葬儀が必要なら費用相当額の死亡保険、多額の相続財産があれば税相当額の死亡保険、遺族の生活費用とご子息の教育費用には必要額の死亡保険か費用保険、個人事業主には事業継続必要額の死亡保険、それ以外の方は原則的には不要と思われます。ご遺族が生存中の全生活費用を求めると、支払う保険料が多額になります。ご遺族は、一定額の一時金とその運用益と公的遺族年金、加えて自力で働いた給与等がありますので、それ以上の金額を備える必要はないという考え方をしています。

3.国内金利や為替変動により受け取る保険金が変動する商品
 この商品は、推奨しません。受け取るまで分からない保険金は、補償として充てにできないからです。中長期に亘り、高い利回りを確保したいなら、目的が明確な他の金融商品をお薦めします。金利や為替変動に詳しくないなら、新NISAや国内投資信託が優先、勤務先に従業員持ち株制度や確定拠出年金があれば任意積立方式が良いでしょう。

4.一定期間の間に保険事故がない場合に保険料の一部または全額が戻る商品
 支払った保険料が戻るためには、そもそも支払っている保険料が一定程度高い料率で設定され、戻るまでの間に運用した運用益が戻る原資になっています。保険事故があれば、運用益は保険会社へ取られるので、こういう商品は、お薦めしません。

5.生命保険選択時の留意事項
 長い人生では、生活環境、経済環境、家族構成は年々変わることから、個人には1年更新の商品が適しています。お勤め先で年1回募集を行う団体保険は、毎年必ず書類やSNSによる手続きや補償の見直しを行う連絡が来ます。唯一がん保険は、長期性の商品が良いと考えていましたが、10年前の商品には現在必要な補償がない旨の保険会社のCMを見て、考え方を変えました。

本日は、あくまでも生命保険会社の知識をもつ個人として、考えてみました。金融商品と補償商品は切り離すこと、人生に起こるアクシデントに合わせて、簡単に加入を見直すことが可能な商品であることを最優先した考え方です。この考え方には、保険料の支払総額や加入時の保険料の安さなどは、考慮していません。理由は、保険料は各社が危険差と社費により決定している為、保険料が安いことはないからです。

営業職員は、所属する保険会社の商品のみを提案します。一方、複数の保険会社の商品を扱う代理店には比較推奨販売義務があり、商品を優先的に勧める保険会社を定めることが多いので、その会社の商品の中で、お客様に合った商品を提案します。それゆえ、優先してお薦めする保険会社が主に販売する商品に偏るでしょう。

本日は、営業職員や保険代理店側の事情を無視しています。お客様の家族構成、経済状況など人生が迎えるセレモニーやアクシデントを踏まえて、商品を選ぶことこそ、顧客本位の運営に繋がると考えています。そういった背景もあり、保険の選び方というテーマで考えてみました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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