台風10号が、日本列島を横断しています。台風が進む速度は、時速10キロから15キロの低速台風です。本日は、低速台風がもたらす被害と対策について、考えてみます。
速度が遅いと、暴風雨域や予想円に入る時間が長くなり、大雨や暴風を受ける時間も長くなります。1時間あたりの風力や降水量でなく、累計の風量や降水量をもとに、何が起こるのかを考えて、外出や避難の判断を行うことが必要になると思われます。
山は、土砂が流れ出すと、近隣地区は被害を受けますから、累計降水量で判断すべきでしょう。川は、水面の高さよりも流れの速さで危険度を判断すべきでしょう。暴風は、常に同じ強さの風が吹いている訳ではなく、強弱を繰り返すので、長い時間吹いていると、強く吹く回数が増すと考えると、被害は想定できそうです。
交通機関は、計画運休の判断基準を変えていて、台風の影響を受けると判断した時点で、計画運休を発表する運用をしています。通勤や通学についても、独自の判断基準をもつ企業や学校が増えています。
一方で、保育園や幼稚園は、少し対応が遅れていると感じます。従業員の出勤可否で判断するのではなく、子供を連れてくる手段の稼働可否で判断するべきではないかと思います。レインコートを頭からかぶり、自転車の前後に子供を乗せて、保育園に向かう姿を多く見ます。強い雨と共に強い風が吹いているのに、風雨を直接受けて走る自転車は危険度が高いことは当然ですが、更に前後の車輪に子供を乗せています。保育園や幼稚園の経営者の方には、そういう観点で判断基準を見直して欲しいと思いました。
低速台風は、今までの台風とは異なる被害をもたらします。被害の形態や時期が変わるのであれば、従業員やお客様をお守りする判断基準やサービスも見直しが必要です。この機会に、組織の中で、今まで通りで支障を感じる項目を洗い出しては、いかがでしょうか。



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