保険代理店に必要な知識

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主な販売商品により保険代理店を分類すると、生保・損保に特化する代理店、生損保商品を併売する代理店、金融商品に特化する代理店、節税対策を指南する代理店などに、分かれます。本日は、保険代理店に必要な知識について、考えてみます。

お客様側から見ると、生損保商品には、現状復旧する為の費用を保険金で支払う商品、一定の保険事故発生時に、契約時に定めた金額を一括または分割して支払う商品、一定の保険事故が生じた時にその調査費用など周辺費用を支払う商品、一定の保険事故が生じた場合に一定額または1日あたりの金額を支払う商品などがあります。

保険会社側から見ると、商品は基本約款と特約で構成しています。契約者向けの有償・無償で提供する関連サービスを付帯することで、お客様から見えるリスクの幅を広げ、商品価値を高める工夫をしています。一定のお客様を対象とした商品をラインナップしています。

代理店側から見ると、取扱い保険会社の商品のニーズに合うお客様を探して情報提供を行い、意向を把握し、説明して意向を確認し、重要事項説明を完了して契約手続きを行います。保険期間中は、原則、お客様対応は行いませんが、契約内容や契約者情報の変更の際や、解約の際に手続きを支援します。

ここで、保険会社と代理店側からみる景色と、お客様側から見る景色が異なることに気づくと思います。このギャップを埋めるのが、保険プロの仕事です。保険代理店に必要な知識とは、お客様の人生において、どういうリスクがあるかを図や絵などで整理して説明し、不安に感じるリスクを挙げてもらい、不安解決の優先順位を決めてもらい、お客様の意向に合う商品を提案することです。

昇給や昇進、経営状況の改善などに伴い、お客様家計の収入が高くなった時、出産や進学、就職などに伴い、お客様の家族構成や経済環境に変化が生じた時、社会現象や異常気象などの変化に伴い、お客様を取り巻くリスクの頻度や被害額が変わった時などに、保険加入のニーズや不安の優先順位が変わります。代理店さんには、保険期間中に、お客様を取り巻く環境の変化がないかを確認する業務プロセスが必要です。

企業契約においても、考え方は概ね同じです。事業活動の原状復帰に加えて、その間の利益補償などがリスクに含まれることもあるでしょう。リスクが及ぼす影響の大きさと範囲を確認して、商品を提供する必要があります。企業を取り巻く環境は、事業年度ごとに確実に変わります。代理店さんは、事業年度ごとに確認して、必要に応じて新たなリスク、役員の変更などに対する提案を行う必要があります。

代理店さんに必要な知識とは、取り扱う商品をパンフレットやパソコン画面で説明する知識に加えて、リスクと不安に関する周辺環境の変化を捉えてアプローチすることではないでしょうか。保険の営業を推進するとは、募集人や当該代理店は、お客様を取り巻くリスクや環境の変化を聞き出す役割であることをお客様にアピールすることから、始まるのではないかと思う次第です。

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