大学運動部による詐取

joyful multiethnic friends hugging on bench in park

私立大学の運動部において、奨学金を受けて入学金や授業料の一部または全額の免除を受けている運動部員から、部が管理する口座へ本来支払う必要のない授業料などを振り込ませていた旨、報道がありました。本日は、本件について、コメントします。

奨学金を受けている新入生が、親御さんを説得して、本来支払う必要のない授業料などを振り込ませることができた要因を考えてみます。奨学金を受ける際には、正しく説明を受けて、合格した後にも必要額の請求を受けて支払っているはずです。

これを覆すには、強い立場を活用して、新入生に圧力をかけることが可能な人しかできません。弱い立場の新入生を騙して、奨学金や免除された授業料相当額を詐取するのは、許しがたい愚行です。

同大学の調査によると、幾つかの運動部において、同様の行為が行われていたそうです。詐取した金銭の使途は、授業料が支払えない他の運動部員の授業料に充当していたと報道がありますが、不正行為に必要な動機を考えると、理解に苦しみます。

この事件が報道の通りであれば、他の大学でも容易に行うことは可能です。各大学は、外部から指摘を受ける前に至急に調査を行い、同様の事実があれば速やかに公表しなければなりません。

大学の運動部にはびこる「弱い者いじめ」の構造と、倫理観の欠如は、大学が学問の最高学府であることを考えると、大きな課題だと思われます。少子化の影響で、各大学は新入学生集めに大変苦労しています。こうした問題が起これば、受験生から避けられることもあるでしょう。今、大学の誠実さと倫理観が、求められています。

コメント