保険代理店の体制整備29

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保険代理店を取り巻く外部環境は、変わりつつあります。きっかけは、中古車販売店による保険金不正請求、保険会社による企業契約保険料の調整、代理店と保険会社による契約情報の漏えい、代理店に対する過剰な広告宣伝費支出などの事象です。本日は、外部環境の変化に伴い、代理店があるべき体制について、考えてみます。

きっかけの事象の根本にある要因は、代理店と保険会社との関係が密になり過ぎたことです。代理店に体制整備が求められる中で、必要な体制や技量がないまま自立しようとした結果、かえって保険会社による関与が増加したことも要因です。

代理店が、保険会社に求めるのは、商品知識と販売手法に関する指導のはずです。具体的には、代理店内の各担当への情報とスキルの提供です。各担当とは、経営改革担当、従業員教育担当、マネージャー育成担当、システム化推進担当、新人育成担当、コンプライアンス担当などです。

多くの代理店の体制の弱みは、各担当が担当業務に必要な情報とスキルではないでしょうか。募集人に対する商品や販売手法の研修を保険会社の担当に依頼してしまうと、従業員教育担当は自立できません。保険会社へコンプライアンス研修の講師を依頼すれば、法令やルールに関する指導を受けますが、実務や社内環境の課題ならびにその解決策に触れることは、ありません。

新人の育成は、社内プログラムに基づき、少なくとも初年度は、どの程度のスキルとお客様からの評価を得られるようにするかを定めているはずです。それが十分でないなら、保険会社から改善指導を受けるべきです。保険会社が行う募集人教育研修への参加することでクリアできると考えてしまうと、育成担当は会議や研修のスケジューラの役割しか果たせず、付与した役割を充足できません。

代理店経営者より、各担当を育成する要員と資質はないと言われたことがあります。よく聞いてみると、各担当に役割を与えていないケースもあります。だからこそ、保険会社が持つスキルの提供を受けるのです。即結果に繋がる訳ではありませんが、体制を整備するという考え方、改善活動を継続して地域一番の代理店になるという経営理念を実現する為には、各担当に役割を付与したうえで情報とスキルが必要なことは、ご理解いただけると存じます。

上記体制整備の必要性について、保険会社からの情報提供や指導が不足している可能性もあります。保険会社の営業担当部署に、その情報やスキルが足りない場合もあるでしょう。弊社では、前向きに自社を振り返り、見直しができる代理店経営者や各担当向けに、外部の立場からご支援しています。各担当の育成により、体制整備の一助となることを目指しています。

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