保険代理店の体制整備30

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企業組織である以上は、定期的に体制整備の見直しが必要です。まずは、組織内の担当を見直して、各担当に役割を付与することから、始まります。本日は、保険代理店さんにおける体制の整備と見直しについて、考えてみます。

各担当に役割を付与するとは、事業活動や業務を分割する訳ではなく、メインに担う業務を定めることです。各担当に、自分の担当分野と他の担当の分野との関連性を意識させることが大切です。各担当がお互いの担当分野を意識せずに事業活動を進めると、目標が達成できても、経営バランスが崩れるのは、容易に想像できます。

各担当に、他の担当との関連性を意識させる為には、業務を進める前に、他の担当へ方向性の説明を行って意見交換し、経営方針に沿っているか、他の業務に相反することはないか、社会から非難を受ける事象がないかなどを確認したうえで、展開していくことが、望ましいと思われます。

しかし、その為だけに定期的に会議を行っては、業務が停滞します。朝会、昼食会のように、担当役員や各担当が非公式に集まる機会を設けては、いかがでしょう。規模の大きな企業においても、役員同士や異なる部署のメンバーが非公式に集まる会を設けることで、社内の風通しをよくする工夫をしているそうです。

各担当は、自分の役割について、新しい知識や情報を得て、自身が成長することを求められます。その為には、保険会社から、指導を受けると良いと思われます。新商品情報、他代理店で起きている課題解決例、商品販売情報、お客様からのご意見・ご要望、従業員を育成する為のスキル、従業員へ伝達するスキルなどです。

保険会社から与えられた指標や目標に執着して、経営理念を曲げて推進した結果、不適切な事案やお客様のご不満を受けたり、地域で一番の代理店とは思えない振る舞いや倫理観に陥ることがあります。そうなる前に、各担当が情報とスキルを基に、正しい路線に戻す体制が、求められる体制整備です。

保険会社から依頼を受けた指標や、手数料体系の維持のために行う改善活動は、ときにお客様本位の考え方から外れることがあります。改善活動の目的が、指標の達成に置き換わってしまうからです。体制整備は、自社の経営理念や目指す姿に近づく為に必要なツールであり、事業活動がお客様本位から外れていないかを確認して、修正していく為の活動と考えると、腹落ちすると思われます。

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