保険会社からメールで満期案内があり、重要事項説明書とデジタル更新手続きへのリンク案内を受けました。保険専業の代理店で加入しているので、少し違和感を覚えました。本日は、保険代理店と営業職員の価値・役割ついて、考えてみます。
保険の歴史を紐解くと、福沢諭吉が欧州から船で戻る際に自分の荷物に対して貨物保険を加入した頃から始まりました。保険加入者が少しずつお金を出し合うことで、大きな災害に遭った人を助けたいという相互扶助の考え方でした。
その後、火事による建物の被害を担保する保険、人が亡くなることで生じる将来的な収入や損失を担保する保険、自家用車の普及に伴い増加する自動車事故の被害者を救う保険など、社会の成長と変化に伴って、保険の種類が増え、その使途も多彩になりました。
その後、生命保険は、死亡、入院、手術費用、ガンなどの特定の疾病、高額医療費用、収入保障、養老、子供養育費用など、様々な種類になり、生きるため、金利の魅力、節税を使途とする保険も加わりました。
一方、損害保険は、海上、火災、自動車、自賠責、第三分野、傷害、新種、賠償、費用などの種類になり、賠償事故の加害者や被害者になった時、高額治療が必要な時、弁護士の支援を受ける時、ホールインワンなどの特別な事象が起こった時、サーバー被害に遭った時に生じる調査費用など、保険の使途も様々になりました。
提供する商品やサービス、その使途が様々になるにつれて、保険代理店、営業職員の価値・役割と、お客様から期待される姿も変わっていると思われます。お客様の立場では、自身を取り巻くリスクについて、リスクの種類と頻度、生活被害を可視化して説明してくれる、新商品や新特約、新サービスが発売されたら、機会あるごとに説明してくれる、必要な補償の見直し提案をしてくれる、そして、保険関連のトピックスなど、知らないことを教えてくれることを期待しています。
一方で、年1回の定期訪問や更新案内の時に、家族構成、健康状態、環境の変化などの最低限のやり取りを短時間で行っているのが現状ではないでしょうか。ある募集人さんに伺ったところ、お客様が忙しくて面談時間が十分に取れないそうです。私は必ずしもそうとは思いません。保険のプロととしての魅力が足りないから、お客様が忙しいと言うのではないでしょうか。人間誰しも、自分が知らないこと、新しい情報、生活に役立つ情報などの提供を受けることは、断らないと思います。代理店や営業職員側は契約の継続・更新が目的なのに対し、お客様側は新しい情報やリスクの見直しを求めているというズレが、真因なのではないかと思います。
デジタル手続きやメールによる案内など、お客様対応はデジタル中心の社会になりつつあります。その中で生き残る為には、お客様に役立つ情報や新しい情報をお伝えする、お客様を取り巻く環境やリスクを診断する、商品やサービスの有効な活用方法を案内するなど、保険の付加価値の提供が求められるのではないかと思います。
いまや、新規契約の手続き、更新手続き、契約内容変更手続きは、スマホ、タブレット、パソコンを通じて、インターネットで完結できます。デジタルができないことは、少なくなりつつあります。それゆえ、人の説明力が必要な事象が、プロとしての価値を高めます。そういう知識や技量が必要な時代になったと思います。
今どきは、保険会社が示した指標の達成を目的に、営業推進を行う代理店や営業職員はいないと思っていますが、残念ながら一部には、あるようです。保険会社の指標を達成することが、顧客本位だと置き換えていますが、お客様が求める姿に向き合い、その為に必要な知識や説明話法を習得することが大切だと思います。
弊社では、代理店や営業職員としての存在意義に疑問や課題を感じる皆様向けに、ご相談やご支援を行っています。弊社は、お客様に結論を押し付けることは、致しません。一緒に考えるパートナーとしての位置付けです。ご興味のある方は、ホームページ上段の概要をご覧のうえで、お問合せいただきたく存じます。



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