操縦席の窓に亀裂

sea of clouds

高度6,400メートルを飛行中に、航空機の操縦席の窓に亀裂が入っていることが見つかり、離陸した空港へ引き返したと報道がありました。最近、パイロットが運航中に気を失う、空港の誘導路付近で不発弾が爆発する、滑走路へ誤侵入した機体と着陸した航空機が接触するなど、航空機と空港における事故が多い印象があります。本日は、こうした一連の事故について、コメントします。

各事故の原因や背景は異なるものの、航空機に搭乗する顧客の立場からすると、空港、航空機など全てのツールが安全でこそ、安心して搭乗できます。自分の搭乗機でなかったから良かったから、次回も搭乗したいと考える顧客は、少ないと思います。

これだけ事故が続いている現状を考えると、既に起こった事故の形態を次に起こらないようにするという再発防止策は、もはや古いのではないかと考えています。特に、空港と航空会社を取り巻く環境は、気候変動の影響を大きく受けるうえに、空港の老朽化という問題も抱えています。

社内の仕組みとして、定期点検や大規模修繕などがあると思いますが、気候変動のスピードや老朽化の進み具合が、想定より早く進んでいる可能性があります。誰も検証していないので、全体の工程や仕組みの見直しには至らないと思いますが、これだけ事故が続くと、そろそろ大きな事故が起きるのではないかと不安になります。

要すれば、今までの延長で見直しや運用を行っても、外部環境の変化に遅れてしまっていて、想定外の事故や故障が生じてしまっている現状ではないでしょうか。既存の再発防止や点検監査では視界に入らないリスクが、顕在化しつつあると考えると、一連の事故が起きることも理解できると思います。

他の業界でも同じことが言えるかも知れません。こういう提言をしてくれる外部取締役や外部監査役がいて、提言を受け入れる経営者がいる企業が増えることを期待します。特に、生活インフラを支える企業は、小さな事故の裏側に潜む外部環境の変化のスピードが速まっていることに気づいて欲しいと思います。

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