保険代理店の業務品質向上策シリーズの第5弾です。本日は、募集、対応、保険事故対応、継続の4つのカテゴリーのうち、対応について、考えてみます。
対応とは、お客様にアクセスする全ての業務プロセスを指し、お客様との接点のことを言います。自社の経営理念に、お客様にアクセスする心構えや、高い品質やサービスを提供する旨、掲げている代理店さんは多いと存じます。
業務品質向上において最も大切なことは、代理店の全構成員が、同じ業務プロセスを全てのお客様に提供できることに尽きます。お客様ごとに求めるモノが異なるから、対応は個々の募集人に任せている代理店さんは、社内の業務プロセスが確立されていないことから、対応に統一性がありません。
対応のカテゴリーにおいて、業務品質を向上させる為には、統一した業務プロセスを定めることから始めます。いきなり、社長が定めると決めてしまえば、初めてすぐに運用が形骸化します。どうやって定めるのが、良いのでしょうか。
例えば、全てのお客様に対し経営理念を実現する為に、代理店として統一すべきことについて、意見交換することから始めることです。お客様へ接する機会を新規、更新、変更、事故などに分けて、その中で業務プロセスが同じになる理想形を共感できるまで意見交換を進めると良いと思われます。
この意見交換で共感できない方は、経営理念の実現方法について、自分の募集やお客様対応が正しいと勘違いしている方なので、構成員にそぐわないと考えるのが適切です。共感できない方が、挙績やお客様数という強みを持つと、代理店の体制整備は益々難しくなり、情報提供や意向把握確認の業務プロセスを募集人各自に委ねてしまいます。
次に、業務プロセスが統一できたら、業務プロセス一覧のような形で残しておき、社内イントラネットなどに掲示して、いつでも社内の誰でも確認することが可能な状態にしておくことです。業務プロセスと異なる対応をした時に、指導するツールになります。
業務品質が高い代理店は、統一した業務プロセスを外れないような仕組みがあり、それが実際に機能しています。業務プロセスというデジタルな仕組みになっています。デジタルな仕組みというと「目標〇割、最低〇件」などとお客様起点でない目標を定めてしまうケースがありますが、これは止めた方が良いです。
代理店さんは、業務品質を向上させて、経営理念の実現を目指しています。デジタルな仕組みというのは、全てのお客様に対応を行うことを促すツールです。定めた業務プロセスを外れない運用ができるように推進するのが、業務品質向上策です。
もし、運用している中で、対応不備や対応不足が認められれば、経営理念に立ち返り、再度意見交換しながら見直しを行うことが、業務品質を向上させる秘訣です。かなり省略してご説明しましたが、ご理解いただけましたでしょうか。



コメント