保険代理店の業務品質向上策シリーズの第6弾です。本日は、募集、対応、保険事故対応、継続の4つのカテゴリーのうち、継続について、考えてみます。
継続と聞くと、損害保険の継続契約、更新手続きなどをイメージさせますが、本日、お伝えしたいのは、業務品質を維持向上させる継続施策です。業務品質は、一定のレベルに到達すれば、そのレベルを自動的に維持したり、更なる高い業務品質へ進む兆しがあるような類のものではないと考えています。
業務品質レベルを維持するというのは、大変多くのパワーが必要です。募集人の数が多ければ多いほど、勤務型代理店と従業員のように二つのマネジメントが必要な体制を持つ代理店は、なおさら多くのパワーが必要です。
例えば、募集人個々のスキルや商慣習、個々のお客様との過去からの関係を考慮しないで、デジタル募集という保険会社が統一した募集スキームを活用して、全てのお客様に対して、抜け漏れのない重要事項説明や情報提供を提供できるという業務品質を維持、拡大することです。
デジタル募集をメインにできたとしても、一定程度は非デジタル募集が残ります。非デジタル募集であっても、個々の募集人のスキルや商慣習に頼っていては、業務品質を語ることすら、できないと考えています。非デジタル募集だからと言って、全てのお客様に対して、漏れなく重要事項説明や情報提供できていると主張する方がいたとしても、それを立証できる記録は、ありません。契約に誤りがないことは、重要事項説明や情報提供ができている証左ではないからです。
デジタル募集は、その業務スキームを正しく活用すれば、全てのお客様に漏れなく必要な情報を提供でき、その記録がデジタル募集として残ります。デジタルの仕組み通りに統一されたスキームで行われている業務品質と、個々の募集人の能力に任せた業務品質の違いが歴然と現れます。
スーパーやコンビニ、ファストフードのお店に行って、お店ごと、店員さん毎に異なる業務スキームで対応されたら、その企業の業務品質を顧客としてどのように感じますか。例えば、ご一緒にポテトはいかがでしょうか、ポイントカードをお持ちですか、袋はご入用ですかなどの言葉は、どの店舗でもどの店員さんからも言われます。業務品質というのは、統一した業務プロセスがどこまで浸透できるかで、判断します。また、これらの業種では、更に高いレベルの業務品質へ進める為に、セルフレジやデジタル注文システムなどを導入しています。これが業務品質の進化です。
この話を聞いて、一般企業が求める業務品質レベルより保険代理店の方が、かなり低いと感じるのではないでしょうか。この原因の多くは、保険会社側にあります。大規模代理店を甘やかし代表者だけを接待して、数多くの新規契約や挙績規模自体を表彰対象にするなど、目指す業務品質と異なる表彰や指導を続けていたことにあります。
2025年、今年から保険会社は、その過ちを改めます。そうなった時、いつまでも今まで通りの対応や支援、指導を受けると考えている代理店は、遅れてしまうかも知れません。ぜひ、弊社のホームページで始めた業務品質シリーズや体制整備のシリーズをご一読いただき、誤った商慣習や馴れ合いの保険会社との関係を見直し、業務品質向上の取組みが、経営理念の目指す姿に近づく、唯一の近道であることに、気付いていただきたいと思います。
ホームページでご説明できる内容は、ご相談、ご支援する内容とはレベルが異なるので、なかなかすべてを理解していただくことは難しいと思われます。しかし、まずは誤った体制整備に気づき、業務品質向上策を主体的に考えて下さい。常にニコニコしている人だって、笑顔を継続するのは、大変な努力があります。本日、ご説明した継続という取組みは、ある意味では笑顔の継続と同じ取組みと考えてよいでしょう。



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