大手電機メーカー社員が、インターンシップで知り合った就活生に対する不同意性交の疑いで逮捕された旨、報道がありました。本日は、就職活動に協力する従業員の不適切な行為について、考えてみます。
最近の就職活動において、インターンシップ活動は、就活生が当該企業の社内で一定期間業務に従事し、従業員の就業実態を確認する機会です。自分が働くにあたり、社内風土や組織の風通しは良いか、自分を輝かせる環境があるか等を判断する好機です。
企業側から見ても、短時間の面接では把握できない性格や就業に対する考え方など、一緒に働いてみるからこそ分かる就活生の「ヒトとなり」や就活生の好む傾向が分かる、複数の従業員の眼で観察できるなど、メリットが多いようです。
インターンシップは、主に採用を担当する部署が主催しますが、営業や事務などの部署で実施することから、従業員の協力が不可欠です。従業員からすると、自社の事業活動や組織の雰囲気などをストレートに伝えることができることから、積極的に協力するでしょう。
今回の事件では、就活生の弱みに付け込む卑劣な犯行と書かれていますが、従業員が、純粋に就活生に恋してしまう可能性も否定できません。それゆえ、事前に就活生に接する際の禁止行為を説明し、違反した場合に受ける処分を明確にしておくなどの対策が考えられます。
当該企業は、年間に千人以上の学生を受け入れていますので、協力する従業員を選別する余裕などありません。そうであれば、繰り返し教育を行い、担当役員からのメッセージの発信や、組織長が目を凝らして把握するなど、組織として対策を講じる必要があります。今回のような事件が発生すれば、SNSに多くの書き込みがあります。その結果、信頼と人気を失う大事件に発展し、事業活動に大きく影響することについて、従業員や管理職に理解してもらう必要があります。
企業側としては、このような事件の発展性を考えると、優先順位の高い課題であり、企業のレピュテーションリスクと捉えることができます。それゆえ、このような事件を活用して、インターンシップの運営見直しを検討することもあり得ると思います。



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